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» 2006年11月30日 00時00分 公開

組み込みイベントレポート:画像認識LSIが車載システムを革新! (1/3)

下半期最大の組み込みイベント、ET。今年で20回目となり、ますます盛り上がりを見せる。その中からポイントを絞り各社の最新動向や製品を紹介

[八木沢篤,@IT MONOist]

危ない! を車が教えてくれる

 NECエレクトロニクスは、自動車用画像認識プロセッサ「IMAPCAR」を出展した。IMAPCARのデモ用にラジコンカー用のコースを設置。カメラを搭載したラジコンカーがきれいな円を描いてコースを走行していた。ラジコンカーといっても、人間が操作しているのではない。ラジコンカーに搭載したカメラの画像をIMAPCARがリアルタイム処理してコース上の白線を認識。その情報を制御用装置が受け取り、プロポを介してラジコンカーを制御しているのだ。

 同製品は128個の演算ユニットで並列処理を行い、100GOPS(注)の演算処理を実現している。これにより、白線、先行車、歩行者などの画像をリアルタイムに処理・認識できるという。また、画像認識機能(白線、信号機、歩行者認識など)をソフトウェアで構成しているため、高級車向けには多くの画像認識機能を搭載し、普及車には必要最低限の機能だけを搭載するなど自由に機能の追加・変更ができる。

※注:1GOPS(Giga Operation Per Second)は、毎秒10億回の演算。


 動作周波数は100MHzで、消費電力は2W以下に抑えているという。サンプル価格は2万円。ちなみに、同製品はトヨタのレクサス「LS460」に搭載される「プリクラッシュセーフティ機能」を実現する画像認識LSIとしてすでに採用されている。

カメラからの画像をリアルタイムで処理し、白線に沿って走行 カメラからの画像をリアルタイムで処理し、白線に沿って走行

 同製品のソフトウェア開発には、「1DC(One Dimensional C)」という並列処理向けにC言語を拡張した言語が使用されている。また、GUI統合開発環境や評価ボードなども提供している。2007年末には画像処理用のフィルタや基本関数などのライブラリも提供予定。


 ルネサステクノロジは、カーナビ向け画像認識処理機能を搭載した「SH-Navi II-V(SuperHファミリSH7774)」による画像認識処理のデモを行った。同製品は、カーナビ向けSoC(System On a Chip)で初めて画像認識処理IP(Intellectual Property)を内蔵し、600MHzで動作するCPUコア「SH-4A」を搭載。命令セットは「SH-4」の上位互換のため、既存プログラムを流用することも可能だという。また、2Dグラフィックエンジンとオーディオエンコーダなどの各種サウンドインターフェイス、イーサネットインターフェイスなど、次世代カーナビに必要とされるモジュール群もチップに内蔵されている。車載カメラで撮影した画像をリアルタイムで処理し、白線や先行車を認識して自動車走行における安全性能向上に役立てるという。すでにサンプル出荷中で、サンプル価格は1万5000円。量産開始時期は2007年2月の予定。

 ちなみに画像認識のアプリケーションは、カーナビメーカーなどで開発する必要がある。そのため同社は、約200種類の関数による画像認識用のライブラリ群を購入企業へ提供する予定とのこと。

SH7774を搭載した評価ボードを使用 SH7774を搭載した評価ボードを使用
関連リンク:
ルネサステクノロジ
SH-Navi II-V

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