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» 2006年11月30日 00時00分 公開

画像認識LSIが車載システムを革新!組み込みイベントレポート(2/3 ページ)

[八木沢篤,@IT MONOist]

新発売に向け準備が整う開発ツール

 京都マイクロコンピュータは、Windows Embedded CE 6.0にも対応する「JTAG ICE PARTNER-Jet Windows CE対応版」を参考出展した。

 マイクロソフトが提供するWindows CE開発環境「Platform Builder」や「Visual Studio」はイーサネット接続が前提であり、イーサネットドライバをはじめから用意する必要があった。また、プロセッサが実行した命令をトレースすることが不可能であったという。しかし、同製品ではイーサネットドライバを必要とせず、従来のICE(In-Circuit Emulator)を用いたオンチップデバッグを可能にした。また、仮想メモリ空間の命令とソースコードを関連付ける機能を実装し、プロセッサの命令をトレースしたり、カーネルやドライバ、アプリケーションのデバッグができるようになったとのこと。

 ブースでのデモはWindows CE 5.0を使用していたが、2007年上半期には出荷を開始する予定。価格は未定。

JTAG ICE PARTNER-Jet Windows CE対応版デモ JTAG ICE PARTNER-Jet Windows CE対応版デモ

 MontaVista Linuxで知られるモンタビスタソフトウエアジャパンは、2006年11月14日(米国時間)に発表されたソフトウェア開発環境MontaVista DevRocket(以下、DevRocket)の最新版「Project Tsuki(開発コード)」のデモ展示を行っていた。ちなみにProject Tsukiの名前の由来には、毎「月」更新の意味も込められているとのこと。

 従来のDevRocketは、MontaVista Linux向けにEclipseを独自にカスタマイズしていた。そのため、「他社が開発したプラグインを自由に使用できない」「Eclipseのバージョンが変わるたびにDevRocket自身も修正しなければならない」など不自由な点が多かったという。そこで、同社はこれまでのDevRocketの機能をプラグイン化することで解決した。これにより、ユーザーが独自に構築したEclipse環境への組み込みを可能にし、また他社製のプラグインとの連携もできるようにした。

 今回の展示はベータ版という位置付けで行われたが、実際に画面を確認してみるとバージョン番号はすでに「1.0.0」になっていた。正式リリースは2007年前半を予定。

バージョン番号はすでに「1.0.0」になっている バージョン番号はすでに「1.0.0」になっている

生活がより便利に! 盛況な体験デモブース

 セイコーエプソンは、「S1V30300」という音声出力LSIを初出展した。同製品は、ADPCM、AAC-LCデコード機能および16bitsフルデジタルアンプを内蔵。専用の音声生成オーサリングツール「VoiceText」(開発はペンタックス)を利用すれば、テキストデータから音声データを作成できる。実際にVoiceTextでテキストデータを入力し、音声を出力させてみたが、非常に滑らかに日本語を読み上げていた。家庭用電化製品やOA機器、教育用玩具、公共機関向けガイドシステムなどへの組み込みを想定しているとのこと。

英語、韓国語、中国語を随時リリース予定 英語、韓国語、中国語を随時リリース予定

 また、無接点電力伝送モジュール「Air Trans(S4E16400シリーズ)」を展示。同製品は、プラグなどを機器に接続することなく、特定の場所に置くだけで充電できる装置である。送電側モジュールは金属異物検知機能を備えており、硬貨などが送電部に置かれても誤動作しないようになっている。デモでは、ブースに送電側モジュールを埋め込んだテーブルを設置。受電側モジュールを組み込んだ携帯電話やiPodなどをそのテーブルに置いて、実際に充電される様子を体験することができた。

 製品化に向けては、「バッテリ駆動のモバイル機器への組み込みを想定しているので、厚みと電力の伝送効率が課題」とのこと。同製品は、2003年から開発がスタートし、今回展示したものは第3世代目。現在では、厚さ1.2〜1.3mm、伝送効率は約65〜70%(2.5W伝送時)を実現しているという。しかし、組み込み機器メーカーからは、さらなる小型化と伝送効率のアップ、そして伝送ロスによる発熱対策が求められているとのこと。

充電の様子と送受電モジュール 充電の様子と送受電モジュール(送電:1次、受電:2次)
関連リンク:
セイコーエプソン
S1V30300
VoiceText

 松下電器産業では、手書き文字認識ソフトモジュール「楽ひら」と音声認識ソフトモジュール「LiteSpeech」の展示デモを行っていた。「楽ひら」は、平仮名/片仮名/英数字(含記号)/漢字を認識でき、文字認識エンジンのサイズは約50kbytes程度とコンパクトである。同製品はCPU、OS問わず組み込み可能で、これまでWindows CE、Linux、PalmOSなどへの導入実績があるとのこと。

 「LiteSpeech」は、60〜65dBA程度の雑音環境下でも音声を95%以上認識できるという。認識する単語はテキストで登録可能なので、変更や追加が容易に行えるとのこと。

 実際にデモを体験してみたが、手書き文字の認識率も非常に高く、また音声認識についてもレスポンスよく認識していた。ちなみに両製品は、Nintendo DSの「脳を鍛える大人のDSトレーニング」や「DS楽引辞典」などのゲームソフトにも採用されている。

UniPhierの評価ボード上で両製品を動かしている様子 UniPhierの評価ボード上で両製品を動かしている様子
関連リンク:
松下電器産業
楽ひら
LiteSpeech
UniPhier

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