連載
» 2007年07月20日 00時00分 公開

Robotics Studio活用術 はじめて作るサービス(1):サービス開発の基礎と流れ (1/2)

Robotics Studio企画第2弾。今回は、ロボットを動かすための「サービス」開発に必要な環境構築と開発の流れを紹介

[大川 善邦 工学博士 日本大学工学部非常勤講師/大阪大学名誉教授,@IT MONOist]

手を動かして理解するRobotics Studio

 以前お届けした連載「解説! ロボット開発環境Robotics Studio」では、マイクロソフトのRobotics Studio(以下、MSRS)を動かすまでを重点的に紹介しました。

 今回の連載では、もう少し踏み込んでMSRSの“サービスを作る”段階に入っていきたいと思います。

 MSRSのアーキテクチャは、「SOA(Service Oriented Architecture)」です。サービスを作り、ほかのサービスとメッセージを交換することによって、目的の処理を行います(注)。ちなみに、Webサービスなどと同様にW3Cの規格に準拠していますが、ロボットの制御とWebサービスとでは時間に関する制約が違うため、実装はまったく異なります。


 MSRSを理解するためには、“動作するサービスを作り、実際にロボットを動かす”のが一番です。畳の上の水練では、水泳を身に付けることはできません。やはり“手を動かすのが一番”であると筆者は考えます。

 続いて本連載の進め方ですが、“チュートリアル形式”を採用します。また、皆さんの手元に次項で紹介する環境(PC)があると仮定して進めていきます。さらに、本連載では長いソースコードの掲載を極力控えます。なぜなら、MSRSの“サービスを作る過程”に重点を置き解説を進めていきたいからです。


必要となるシステム構成

 ここでは本連載で必要なシステム構成について紹介します。

 まず、下記ソフトウェアが動作するPC(Windows Vista、Windows XP、Windows Server 2003)とインターネット接続環境を用意してください(注)。

※注:
解説! ロボット開発環境Robotics Studio(2)「Myロボット選びと動作確認のポイント」にもありますが、本連載でも筆者は英語版のWindows XPを使用しています。


 続いて、マイクロソフトのサイトから下記のソフトウェアをダウンロード&インストールしてください(注)。


※注:
これらのソフトウェアは、いずれも、無料でダウンロードできますが、許諾条件付きですので、それに準拠して使用してください。


 MSRSは、開発進行中(原稿執筆時点)のソフトウェアですが、本連載では上記バージョンを基本環境として解説しております。また、MSRSのプログラムはVisual Basicでも作成可能ですが、本連載ではC#を使用しています(注)。

※注:
本連載では、C#の文法についての解説は基本的に行いません。C#についてはInsider.NETを参考になさってください。



MSRSのプログラムを作成する

 それでは、MSRSのプログラムを作成していきましょう。

 まず、VC#を起動してください。画面1のように、VC#の初期画面が立ち上がります。

VC#の初期画面 画面1 VC#の初期画面

 メニューの[File]−[New Project]をクリックすると、[New Project]のダイアログが開きます(画面2)。

[New Project]のダイアログ 画面2 [New Project]のダイアログ

 画面2の左、[Project types]ペインで[Robotics]を選択し、右の[My Templates]のペインで[Simple DssServices (1.5)]を選択して(注)、画面下の[Name]テキストボックスに適当な名前(ここでは、「MyProj」とした)を入力して、[OK]ボタンをクリックしてください。

※注:
画面2で表示されるテンプレートの数が環境により異なる場合があります。画面2では、旧バージョンであるRobotics Studio 1.5(CTP May 2007)を過去に使用していた場合の表示例です。使用上、この図と一致しなくても問題はありません。


 画面3のように、テンプレートによって構築されたプロジェクトの内容が表示されます。

MyProjプロジェクトの内容 画面3 MyProjプロジェクトの内容
※注:
テンプレートは、必要最小限のプログラムをプロジェクト形式にまとめたものです。通常、テンプレートを土台に必要なプログラムを書き足して、アプリケーションを作り込んでいきます。


 テンプレートのファイルの中に以下の2つのファイルが存在するはずです。

  • MyPorjTypes.cs
  • MyProj.cs

 この2つのファイルが、主にプログラムを書き込むファイルとなります。

 MyPorjTypes.csは、C言語でいうところの「ヘッダーファイル」に相当するファイルです。このファイルにメッセージの型(正式にいえば、クラス)、ロボットのプロパティなどを記述します。

 MyProj.csは、メインのファイルです。ここにプログラムの本体、すなわち、ロボットを動かすアルゴリズムを記述します。

 [MyProj.cs]をダブルクリックしてください。すると、画面4のように編集ペインにMyProj.csが展開されます。

MyProj.csのソースの一部 画面4 MyProj.csのソースの一部

サービスをビルドする

 それでは、プログラムをビルドしてみましょう。

 [Solution Explorer]ペイン(画面3左上のウィンドウ)の[MyProj]を右クリックします(画面5)。

[MyProj]の右クリックショートカットメニュー 画面5 [MyProj]の右クリックショートカットメニュー

 画面5のショートカットメニューから[Build]を選択し、実行します。ビルドに成功すると、画面6のように表示されます(注)。

[Build]が成功した 画面6 [Build]が成功した

※注:
ビルドに失敗した場合は、準備段階に誤りがある可能性があるので、インストールおよび設定が正しく行われたかどうかを再確認してください。


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