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» 2007年09月07日 00時00分 公開

メカ設計者も金型加工機の制約を理解しよう米PTCのエグゼクティブが語るCAM(1/2 ページ)

メカ設計現場と金型加工現場との間のコミュニケーションは、結構悩ましいものだ。CAD/CAMのPro/TOOLMAKER 8.1を導入することによって、果たしてそれは解消されるだろうか?

[小林由美,@IT MONOist]

 PTCが2007年7月(日本語版は8月29日)に発表した「Pro/TOOLMAKER 8.1」は、英NC Graphicsと独DEPO Machineが共同開発したCAD/CAM「DEPOCAM(デポキャム)」の再ブランド品である。PTCは同年5月にNC Graphicsを買収している。「8.1」とは、「DEPOCAM 8.0」を継承していることを意味し、「Pro/TOOLMAKER」としては実質「1.0」となる。

 機械設計現場と金型加工現場間において、Pro/TOOLMAKERがどういったメリットをもたらすのだろうか。米PTC Pro/TOOLMAKER プロダクトマネージャーのロバート・ホーキンス氏に話を伺った。

機械設計と金型加工の関係の「見える化」

 設計エンジニアが「コストも下げたい、でも精度も上げたいんだ」とリクエストすれば、加工エンジニアが「それは無理」と返答することもある。そういった際には、話が平行線になってしまったり、お互い意固地になって対立してしまったりする場合もある。

 設計現場と金型加工現場は、お互い壁で隔てられていたり、距離があったりする。コミュニケーション手段も限られるので、擦れ違いが起こりやすい。また、設計者と加工者には、それぞれの専門知識が要求される。両方を熟知するのは難しいことである。両方が協調する際には、お互いの言い分を理路整然と、参考図なども利用して説明しなければならないだろう。

 つまり、両者間のコミュニケーションをいかに円滑にするかが重要であり、それを手助けする手段が必要である。

 「設計サイドと金型加工サイドのお互いの言い分を数字やグラフィックで『見える化』できるならば、分かりやすく具体的な説明がしやすくなるだろう」とホーキンス氏は考える。

デジタルカメラの筐体(きょうたい)の金型を例にしたPro/TOOLMAKER 8.1のオペレーション画面

  Pro/TOOLMAKERの3次元データは、「Granite One」(グラニット ワン)というPTCの独自カーネルだ。3次元CADの「Pro/ENGINEER」(PTC)と「SolidWorks」(ソリッドワークスジャパン)のデータを変換処理する必要なく、直接読み込むことができる。3次元モデルに修正があった場合も、Pro/TOOLMAKERがその修正を感知し、パス(刃先が動く経路)のデータの変更を自動で行う(修正を行わないという選択も可能)。

 「設計者は、自分の設計した3次元モデルの金型がどのような工程で加工されるのか、また、自分の施した修正が金型加工にどういった影響を及ぼすのか、3次元のグラフィックのシミュレーションで直感的に把握することができる。この点も、設計現場・加工現場間のコミュニケーションの手助けとなるだろう」とホーキンス氏は述べた。

 また、ホーキンス氏は「Pro/TOOLMAKERは、単にNCデータ(マシニング加工用データ)を作るだけのソフトではない。パスを高速で自動生成し、そこから加工時間を算出する。そのデータを見れば、金型加工に詳しくない設計者でも、自分の設計物の金型のコストをデータで理論立てながら理解することができる」と説明した。

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