もっと自分の思いのままにモデリングできるノンヒストリーCAD虎の巻(上)(1/3 ページ)

フィーチャ履歴ツリーを持たない「ノンヒストリーCAD」をメカ設計ツールとして選択する利点やモデリングテクニックなど、光学機器の機構設計に携わる筆者が解説する

» 2007年10月12日 11時00分 公開

 「ノンヒストリーCAD虎の巻」では、「ノンヒストリーCAD」(フィーチャ履歴のない3次元CAD)の利点や活用テクニックを上下編に分けて解説します。

 まず今回の「上」で、ノンヒストリーCADという道具が、どういう特徴を持った「道具(ツール)」なのかを確認してから、次回の「下」で、実務で使えるノンヒストリーCADのテクニックなどを紹介していきます。

 本記事が、あなたの今後の道具選びや活用の参考になれば幸いです。

あなたの「ノンヒストリー度」、測定します

 これまで、どちらかというとマイナーな存在であったノンヒストリーCADですが、ここ数年で注目されだしている傾向のようです。

 CADベンダのサイトをのぞいてみると、その特徴の説明として以下が挙げられます。

  1. データが軽いので大規模設計やチーム設計に有効
  2. パラメトリックや設計履歴などの拘束条件をまったく意識する必要がない
  3. 3次元CAD特有のモデリング手法を意識する必要がない
  4. ヒストリーを持たないために、誰にでも容易にモデルの再利用や編集が可能

 1は分かりやすいと思います(という筆者は、小規模&少人数設計の業務なので、実は効果を実感できていないのですが……)。

 1〜3は、ほぼ同義語で「ダイナミックモデリング」の説明になります。つまり「ノンヒストリーCAD≒ダイナミックモデリング」という構図が見えてきます。

 しかし実際のところ、ノンヒストリーCADとヒストリーCADと、何がどれだけ違ってくるのか、分かりづらくないでしょうか?

 ここで「ノンヒストリー度」チェックシート登場! 設計業務中で思い当たる項目を気軽にチェックしてみてください。

 ノンヒストリー度チェック
  1. 「3D設計にはセンスが必要」といわれるが、そのとおりだ
  2. パーツの書き始めには、決心が必要である
  3. 構想設計時のモデルで詳細設計を続けるのは不可能なので、詳細設計開始時に書き直しをしている
  4. DRで不安なのは、「検討不足を指摘されること」ではなく、「その後の形状変更に対応できるか」である
  5. 私の小設変のせいで、hogehoge氏の部品は再モデリングする羽目になって、申し訳なく思った
  6. 出図前の小変更でモデルが崩壊して大汗をかいた
  7. 優柔不断なので、設計方針がチョコチョコ変わってしまう
  8. 発想が豊かなので、いろいろなパターンの設計が浮かんできて方針に迷う

 上記で「ノンヒストリー度」が高い人ほど、ノンヒストリーCADで楽に仕事ができるようになるかもしれません。

筆者注:
この記事では「フィーチャベースCAD」のことを「ヒストリーCAD」と表現させていただきます。ノンヒストリーCADと対比させる場面がたびたび出てくるためです

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