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» 2007年10月18日 00時00分 公開

【問題15】 マイコンでモータをON/OFFする完全マスター! 電子回路ドリル(17)

トランジスタの理解を深めるため、電流増幅特性(IB−IC特性)と入力特性(VBE−IB特性)について詳しく解説します

[横田一弘 埼玉県立新座総合技術高等学校 教諭,@IT MONOist]

【問題14】の解答

 【問題14】のようなマイコンによるLED表示回路で、RLとRBはそれぞれ何Ωにするとよいでしょうか? という問題でした。

 皆さん解けましたか?

 解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、電気・電子回路の基礎知識を身に付けてください。

 それでは、解答を発表します!


【問題14】の解説

 画像1のトランジスタ「2SC1815」は代表的な小信号用のnpn型トランジスタです(画像1)。【問題14】は、この2SC1815を使ってLEDをドライブする問題です。

2SC1815 画像1 2SC1815

 最初にトランジスタの理解を深めるために、その特性を詳しく調べてみましょう。

IB−IC特性

 IB−IC特性はトランジスタの電流増幅特性、すなわちトランジスタの入力となるベース電流IBに対する出力となるコレクタ電流ICの変化を見るものです。図1に筆者が測定したIB−IC特性を示します。

2SC1815のIB−IC特性 図1 2SC1815のIB−IC特性

 図1(a)に示すとおりIB−IC特性は直線になっており、ICはIBに比例していることが分かります。この直線の傾きが電流増幅率hFEで、2SC1815のhFEは約200であることが分かります。

VBE−IB特性

 VBE−IB特性はトランジスタの入力特性、すなわちベース−エミッタ間電圧VBEに対するベース電流IBの変化を見るものです。図2に筆者が測定したVBE−IB特性を示します。

2SC1815のVBE−IB特性 図2 2SC1815のVBE−IB特性

 図2(a)に示すとおり、VBEが0.6から0.7Vを超えるまでIBは流れません。この特性はトランジスタが電子スイッチとして使えることを示唆しています。

 すなわちVBEが0.6から0.7Vを境にして、それより小さい電圧でトランジスタがOFF、それより大きい電圧でトランジスタがONになります。

 それでは、ここまでの解説を基に【問題14】を解いてみましょう。

 トランジスタ回路では負荷側の回路から計算をします。そこで、最初にLEDに5mAの電流を流すための抵抗RLを求めます。

 図3(a)に【問題14】のトランジスタ回路の負荷側を示します。

トランジスタ・スイッチの負荷側 図3 トランジスタ・スイッチの負荷側

 図3からRLは、

となります。

 トランジスタで電流をON/OFFする回路、すなわちトランジスタ・スイッチで、トランジスタが開き切るときのVCEは0V(実際にはいくらかの電圧降下が起こる)であることから、

となり、RLは「640Ω」になります。

 次に入力側の回路の計算をします。まず、IBを求めてみましょう。

となり、IBは「25μA」と求められます。

 しかし、ここでのIBはトランジスタが開き切る境の電流値であるため、確実にトランジスタ・スイッチをONするには不安です。そこで今回、IBは数倍の0.1mA(=100μA)としましょう。

 最後にRBを求めます。

 図4に【問題14】のトランジスタ回路の入力側を示します。

トランジスタ・スイッチの入力側 図4 トランジスタ・スイッチの入力側

 図4からRBは、

となります。

 マイコンの出力ポートから“1”が出力されたときの電圧を5Vとすると、

となり、RBは「約40kΩ」になります。

次回までの宿題 ― 【問題15】

次回までの宿題【問題15】

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