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» 2007年12月20日 00時00分 公開

エレメカ協調セキララ事情(1):基板CADから3Dモデルをもらい効率化図るが (2/2)

[小林由美,@IT MONOist]
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――電子部品と機械部品との干渉チェックのやり方は?

 3次元CADで干渉チェックするときは、想定できるばらつきを考慮したマージンを入力し実行するようにしています。基板アセンブリごと配置をオフセット移動して干渉を見たりする場合もありますが。また、私どもの場合は、製品全体に対して干渉チェックをまず行い、スペースの制約が心配な個所に対しては上記のような工夫をして干渉チェックを行っています。

 私どもが開発している製品はオシロスコープなど電子測定器で、製品外形が数百mmの世界ですから、スペースの制約があまりシビアではありません。なので、この方法で済んでいるという話はあるのかもしれませんね。カメラや携帯電話ですと、外形が小さいにもかかわらず部品がたくさん詰まっているために、スペースの制限が大変厳しいですから、この方法ではうまくいかないのかもしれませんが。

――ほかに、電子基板CADのデータの利用例は?

 いつも使っている3次元CAD上で、電子基板設計サイドからもらったデータを参照しながら機械部品を作れるところも利点ではないでしょうか。

 また、3次元モデルをじかに参照したり、または機構部品がアセンブリしてあるファイルへインポート(この場合、ドラフティング機能をいったん仲介)した基板データの2次元スケッチを(線の参照とは異なる)参照しながら、グランド部品などを作ることが可能です。

 ノンヒストリーCADを使用しているので、上記のような作業がストレスなくできていると私は思います。上記のような方法で部品を作ったとしても、参照した2次元スケッチは故意に消さない限りは消えず、ずっと利用し続けることができ、また、そこから作った部品形状とスケッチはリンクしていません。その方が、私たちの設計作業にとっては好都合だと考えています。

――現状、不利だと思われる点、不便な点はありますか?

 強いていうなら、IDFのデータ出力や図面管理を行う担当が、設計の人員とは別でいることでしょうか。その分の人員と工数が掛かってしまっているので、これらの作業が、誰にでもワンタッチで可能ならば、この分の人員と工数が削減できるだろうと考えます。

 現状の技術では、異種のCAD間におけるIDFデータ交換では原因不明のバグが出やすく(*IDFファイルそのものの問題)、不安定なもののようです。なので、変換作業には、少しの“コツ”が要ることになります。まあ、原因さえ分かったら、非常に簡単な作業なんですけど……この“コツ”の発見に、少々時間がかかりました……。

 それから、私どもの現時点のシステムでは、“電子基板CADから3次元データをもらうこと”しかできません。従来どおり、機械設計サイドの変更を電子基板設計サイドに伝えるには、口頭や文書での確認や、DXFの2次元データを受け渡すしかすべがありません。しかし、それによって大きな害があるわけではありませんし、もらえるだけであっても十分恩恵を受けているとは思いますよ。

 しかしながら、やはり、機械設計から電子設計に戻す過程で間違いが起こりやすいものなので、将来は機械設計から電子設計へ3次元の設計情報を自動フィードバックできるシステムが欲しいと思っています。

――ほかに、お困りの点などはありますか?

 コミュニケーションの問題でしょうか。電子設計の部門とスムーズにコミュニケーションしたり、相互の情報の自動同期ができるようなシステムやツールがあったらいいな、と思います。

 取りあえず、「hogehogeさん、あの部品の変更をしましたから、よろしくお願いしますね〜」と、お互いマメに声を掛け合ったりしていけばいい話ですけど……お互い忙しくてつい連絡が擦れ違ってしまう場合だってあるし、メールで変更の連絡をしても、そのメールを見てもらえなかったりとかも(笑)。それに私どもの場合、機械設計の部品と電子部品は、部品表がそれぞれ独立していてリンクしていませんから、部品構成の変更の連絡にも気を使います。

 CADや部品管理のシステム運用の問題って、なかなか難しいものですよね。特に、当社のように古くからある会社は、昔から社内で使っている管理システムとのしがらみなども考えなければいけませんし。ですが、設計効率がもっともっと良くなるよう、今後も試行錯誤しつつ努力していきます。

――お忙しいところ貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。

 次回は、エレメカ協調設計に関して、CAD導入コンサルタントの立場から設計現場へ向けた意見やアドバイスをお届けします。

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