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» 2008年01月16日 00時00分 公開

ココが変わったWindows Embedded CE 6.0 R2(1):Windows Embedded CE 6.0 R2の強化ポイントとは? (2/2)

[宮島剛/監修:杉本拓也(富士通ソフトウェアテクノロジーズ),@IT MONOist]
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ミドルウェア・アプリケーションの変更点

 前述のとおり、Windows Embedded CE 6.0 R2のリリースによるコアOSの大きな変更はありませんでしたが、ミドルウェアやアプリケーションに多くの変更がありました。

 ここでは、特に変更が目立つミドルウェアやアプリケーションについて紹介します。

Internet Explorer 6

 Windows Embedded CE 6.0 R2へのバージョンアップで特に変更が目立ったものの1つに、Internet Exploreのアップグレードが挙げられます。

 具体的には、QFEとして提供されてきたセキュリティ関連の修正が適用されている点と、HTMLのレンダリングルーチンがInternet Explorer 7を参考にチューニングされている点です。

 また、これ以外にも以下のような機能が追加・修正されています。

  • ブラウザ内のリッチエディットコントロールのサポート
     これまではエディットコントロール(メモ帳のような)が利用可能でしたが、Hotmailのようなサイトに対応するためリッチエディットコントロールをサポートしました。
  • キャッシュ/履歴/Cookieの削除
     これまでキャッシュや履歴、Cookieの削除はユーザーアプリケーションで制御してきましたが、Windows Embedded CE 6.0 R2からこれらの機能をInternet Explorerに追加しました。また、この機能を利用することでKIOSK端末など不特定多数のユーザーが利用する環境下において、ユーザーの資源を保護することが可能となります。
  • AutoProxyのサポート
     企業のネットワークでブラウザを利用する場合には、自動プロキシ機能としてネットワーク内のサーバに***.pacファイルを配置することが多くありますが、Windows Embedded CE 6.0 R2から、この自動プロキシ機能をサポートしました。

 さらに、上記の新機能と併せて、Internet Explorerの設定画面も変更されています(画面3)。

新しくなったInternet Explorerの設定画面 画面3 新しくなったInternet Explorerの設定画面

Windows Media Player Control

 Windows Media Player Control(ActiveX)のインターフェイスが、Version 6からVersion 7へと変更されました。Version 6では、Playerというオブジェクトからすべてのプロパティやメソッドにアクセスすることができましたが、Version 7からはさまざまな機能を利用するためにPlayerオブジェクトの配下に多様な子オブジェクトが配置される階層構造を取っています。

 この変更により、Windowsデスクトップ環境で利用されているWindows Media Controlと同様の方式となるため、Webコンテンツ制作やアプリケーション開発時に同様のインターフェイスで制御することができます。また、Version 7の変更に伴いCOMのCLSID(注)も変更となりました。

※注:CLSIDとは、Class Identifierの略称で、COMオブジェクトに割り当てられた一意の識別番号のこと。


RDP

 Windows Embedded CEは、以前よりRDP(Remote Desktop Protocol)クライアントの提供を行ってきましたが、Windows Embedded CE 6.0 R2から、Windows Vistaに合わせてプロトコルのバージョンが「RDP5.2」から「RDP6.0」に変更されました。

 また、RDP6.0で定義される以下の機能が利用可能となります。

  • RDP UI
  • Webブラウザ内での動作
  • シリアルポート・スマートカード・クリップボード・ドライブ・プリンターのリダイレクト機能
  • 32bitカラーでの接続
  • 最大解像度4096×2048
  • 16:9など4:3以外の画面解像度のサポート
  • TLS/SSLのサポート(Windows Server 2003 SP1)

 RDPについては、次回で詳しく説明します。

Platform Builderから見たRDP関連のカタログ群とRDPの接続画面 画面4 Platform Builderから見たRDP関連のカタログ群とRDPの接続画面

VoIP

 VoIP(Voice over Internet Protocol)機能における大きな変更点は、ビデオ接続と複数人によるカンファレンス接続のサポートです。

 VoIPとして利用できる以下のサンプルアプリケーションのコードが、%_WINCEROOT%\PUBLIC\FP_VOIPに含まれています。

  • ホームスクリーン
  • 電話
  • コントロールパネル
  • インフォメーション(カレンダー・連絡先)
VoIP関連のカタログ群とサンプルアプリケーション 画面5 VoIP関連のカタログ群とサンプルアプリケーション

WSD

 最後に追加された項目としてWSD(Web Services on Devices)が挙げられます。WSDは、TCP/IPネットワーク上のデバイスを認識するためのプロトコルで、Windows Vistaから実装されています。例えば、Windows Vistaに搭載されている、ネットワークプロジェクタへの接続機能のデバイス検索などで利用されています。このWSDを利用することで、プロジェクター以外にもプリンタやスキャナデバイスもWindows Vista PCと接続することができます。

 WSDを利用するには、WSDAPIというAPIセットを利用します。サンプルコードについては、%_WINCEROOT%\PUBLIC\SERVERS\SDK\SAMPLES\WSDに含まれています。

Platform Builderから見たWSDのカタログ 画面6 Platform Builderから見たWSDのカタログ

 WSDの詳細については、下記を参照してください。より詳細な情報を入手できます。




 以上が、Windows Embedded CE 6.0 R2の新機能と旧バージョンからの変更点の概要となります。今回の内容で、カーネルや開発環境以外のミドルウェアやアプリケーションに多くの機能が追加/拡張されたことがご理解いただけたと思います。

 さて、次回は今回紹介した「RDP」「VoIP」「WSD」についてもう少し掘り下げて、詳しく解説することにします。ご期待ください。(次回に続く)


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