連載
» 2008年01月30日 00時00分 公開

Carbide.c++ではじめるSymbianプログラミングSymbian OSアプリ開発の手引き(1)(2/3 ページ)

[大久保 潤 管理工学研究所,@IT MONOist]

統合開発環境を入手しよう

 IDEの世界で繰り広げられたサバイバルレースにより、気が付けばIDEの種類もずいぶん減りました。

 では、言語やOSの数も減ってきているのかというと、もちろんそんなことはありません。増え続ける言語やOSの対応は、既存のIDEに機能追加を行う方向に流れが変わったというのが正解です。

 そしてこのトレンドの中で、IDEは大きく2つに絞り込まれています。1つはEclipse Foundationがリリースする「Eclipse」、もう1つはMicrosoftの「Visual Studio」です。これらは実際には“IDEコンテナ”とでも呼ぶべき存在で、そこにプラグインを追加することで柔軟に機能拡張を行えるのが特徴です(注)

注:Eclipseはもっと壮大な構成を持っているのですが、ここから先は本連載の範囲を超えてしまうので、興味がある方はhttp://www.eclipse.org/community/rcp.phpなどを参考に事例を眺めてみてください。

 ここでIDEの一般論をおさらいしたのは、Nokiaが提供するSymbian OS用のIDE、「Carbide」の構成がまさにこの方法を取っているからです。また、Carbide Development Toolsのサイトにあるとおり、Eclipseベースの「Carbide.c++」と、Visual Studioに対するプラグインである「Carbide.vs」の2系列が用意されています。

 今回の連載では、これらのうちCarbide.c++を使うことにします。ワタシ自身Visual Studio2005も、Eclipseも日常的に使っているので(時としてVisual C++ 6.0まで!!)、別にどのIDEでなければならないとも思わないのですが、Nokia自身がリコメンドしていること、そして無償版が存在することからCarbide.c++をターゲットとしました。

 ダウンロードは以下のページから行います。

Forum Nokia - Carbide Development Tools for Symbian OS C++
http://www.forum.nokia.com/main/resources/tools_and_sdks/carbide_cpp/

 ダウンロードしたインストーラーには、以下の4つの製品すべてが含まれていますが、今回使用するのは無償版であるCarbide.c++ Expressです(表1)。インストール時にどれにするか聞いてくるので画面3のとおり「Express Edition」を選択してください。

表1 Carbide.c++製品
Carbide.c++の種類
説明
Carbide.c++ OEM Edition 端末作成者向け(有償)
Carbide.c++ Professional Edition 試作端末にかかわる開発者向け(有償)
Carbide.c++ Developer Edition 製品端末上のアプリケーション開発向け(有償)
Carbide.c++ Express 体験版(無償)


画面3 ここでは無償版である「Express Edition」を選択

 インストーラーが最後まで進めば、これでIDEが使用可能になります。

 ここまでは、Windows XPを使っている場合の手順ですが、Windows Vista利用者の方はさらに2つ追加作業を行う必要があります。

 1つ目は、Carbideの実行ファイルであるCarbide.c++.exeに対しての設定追加です。以下の属性の設定が必要となります。

  • 互換モードで実行
  • 管理者権限で実行

 2つ目は、Carbide.c++のアップデートです(これはWindows XPの場合でも、やっておいて損はないでしょう)。Carbide.c++の[Help]メニューから[Software Updates]−[Find and Install]を選択し、更新を行ってください。これにより、Carbide.c++の起動途中で[Carbide FLEXnet License Error]というエラーダイアログが表示される問題が解消されます。

注:Carbide.c++の初回起動時に、プラグインを発見したので再構成を行う旨のダイアログが出てきた場合には[OK]を選択してください。ここも時間がかかるので温かく見守ってあげてください。

 次は、HelloWorldプロジェクトの作成について解説します。

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