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» 2008年06月19日 00時00分 公開

「食品にも応用」島津製作所の卓上型CT装置開催直前! DMS2008速報

2008年6月25〜27日の3日間、東京ビッグサイトで「第19回 設計・製造ソリューション展(以下、DMS展)」が開催される。今回、「卓上型」と呼ばれる小型のCT装置「SMX-90CT」を出展する島津製作所に今年のDMS展での見どころを伺った。

[上口翔子,@IT MONOist]

 島津製作所の卓上型マイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio(インスペクシオ) SMX-90CT」(画像)は、従来のCT装置(同社の据置き型タイプ)と比べ本体の大きさを1/4に縮小。撮影したい対象物を所定の位置に配置し、拡大倍率を決定してスタートボタンを押すという非常にシンプルな操作となっている。

 検査可能な対象物の大きさは最大で直径160mm、高さ100mm。前面と上面が開くスライド形式のドアになっており、大型の対象物のセッティングも容易に行える。また、1度の撮影で最大480枚(512マトリックス時)の断層像が得られ、デジタルフラットパネル検出器(FPD)を搭載していることから、ひずみのない鮮明な画像が得られるとのことだ。

画像 SMX-90CT装置外観図

成形品の射出条件決定をスピーディにできる

 同社のCT装置は、生体や医薬品、携帯電話やデジタルカメラに使用されている樹脂やゴムなどの成形品、ICなどの電子部品の非破壊検査や解析に適しているという。

 島津製作所分析計測事業部マーケティング部主査 夏原正仁氏によると、非破壊検査では最終製品の検査に多く活用されており、成形品の射出条件決定をスピーディにできるなどの応用も可能だという。熱膨張率の低い、鉄、銅、アルミなどについては、1度の成型で現物に忠実な外観を持つ3次元製品を作成できるが、ゴムや樹脂成形品は、何度もスキャニングを行い射出条件を調整しなくてはならない。しかし、同社のCT装置ではそういった作業の短縮化が図れ、3次元計測による金型の選定や、射出条件調整に反映できるという。

リバースエンジニアリング手法

島津製作所 分析計測事業部 マーケティング部 主査 夏原 正仁氏

 工業製品の製造現場では、金型で作成した試作品が理想的な肉厚になっているかなど、設計通りのものができているかの判断は実際に物体を切らなければ分からない。そうした場合に、CT装置で物体を3次元画像化しコンピュータ上で確認をすると、物体を切らなくてすむ。このように試作品と現物との比較を行うリバースエンジニアリング手法が求められている現場では、CT装置は非常に有効という。

 「例えば自動車の製造現場では近年、燃費を良くするために部品の軽量化が重要課題とされている。軽量化を追求した限界設計を行っており、このような部品の内部に欠陥は許されない。この欠陥をスピーディに検出できるCT装置を提案している」(夏原氏)

食感の数値化!? おいしいパンのグラフ形状とは

 SMX-90CTでは、工業製品とまったく別の用途のものでも、工夫と細工をすることで私たちの暮らしの中に応用できる。その一例として、パンの空洞による食感の違いについて説明してくれた。

 「私たちが朝食などで日常的に食べる食パンをCT装置でスキャンしてみる。すると、断面を切り刻んだような立体的な画面が見え、その中に複数の空洞が見える。それらの空洞をコンピュータで体積別にグラフ化することにより、食感の数値として表現が可能になりパン作りに応用できると考えられている。近い将来、パン作りにCT装置が活用されるかもしれない」(夏原氏)

 なお、当日島津製作所のブース(東3 小間番号11-36)ではCT装置を展示し、サンプル撮影のデモンストレーションを行うとのこと。

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