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» 2008年07月10日 00時00分 公開

デジタル回路よ永遠なれ−2学期【期末考査】解答編完全マスター! 電子回路ドリル II(25)

デジタル回路を設計するには、基本となる回路をマスターすることだ。これまでの連載を活用して“技”のバリエーションを増やそう!

[横田一弘 埼玉県立新座総合技術高等学校 教諭,@IT MONOist]

 前回行った2学期【期末考査】では、“フリップフロップ”に関する内容を中心に出題しました。いかがでしたでしょうか?

 解けた方も解けなかった方も、次項の解答と解説をぜひ読んでみてください。

 仮に解けなかった問題があったとしても、今回の解説や過去問題を参考にして、1問1問確実に理解しながら解いていけば、必ずやその知識が身に付くはずです。

 それでは、解答を発表します!


期末考査−第1問の解答と解説

第1問

答え.

答え ※解答の一部に誤りがあり、2012年8月23日に修正いたしました


 【問題14】の解説で紹介したとおり、JK-FFはフリップフロップのすべての機能、すなわち、

  • J=“0”、K=“0” 「保持」
  • J=“1”、K=“0” 「セット」
  • J=“0”、K=“1” 「リセット」
  • J=“1”、K=“1” 「反転」

をする万能フリップフロップです。

 第1問のJK-FFが立ち上がりエッジ型のフリップフロップだとすると、解答のタイムチャート内の赤字で示したようにクロックの立ち上がり(“0”から“1”に変化する)時にJK-FFが動作します。

期末考査−第2問の解答と解説

第2問

答え.

スイッチをAに入れたとき、OUTから“1”が出力される



 第2問の回路は、フリップフロップを応用した“スイッチ入力回路”です。

 スイッチの共通端子はGNDに接続されており、また【問題12】の解説のとおり「NANDゲートは1つでも“0”が入力されると“1”を出力する」ので、図1のようにスイッチを“A”に入れたときにOUTから“1”が出力されます。

スイッチをAに入れたとき、OUTから“1”が出力される 図1 スイッチをAに入れたとき、OUTから“1”が出力される

 ちなみに、第2問の回路は「チャタリング除去回路」と呼ばれる回路です。スイッチには機械的な接点があるため、オン/オフ時に振動が生じます。この振動によって、1回の入力にもかかわらず数回オン/オフを繰り返したような信号が生じる現象を“チャタリング”と呼んでいます。

 第2問の回路でスイッチが切り替わるとき、スイッチは必ずA、もしくはBの接点を離れます。そのとき、フリップフロップの2つの入力がともに“1”となり、以前の値を「保持」します。これによりチャタリングが除去されるのです。

期末考査−第3問の解答と解説

第3問

答え.

  • タイムチャートは?
答え
  • 回路の働きは? 
    デジタル信号の立ち上がりを検出する回路


 第3問の回路は、解答のタイムチャートのように入力信号Dinの立ち上がりを検出して、1クロック分のパルス信号Doutを出力する回路です。

 それでは図2のように、各部の信号A、B、Cを調べ、回路の動作を確認していきましょう。

第3問の回路 図2 第3問の回路
  • Aは、CLKの立ち上がりでDinを「保持」したものです
  • Bは、CLKの立ち上がりでA「保持」し、さらにCB「反転」です
  • Doutは、ACの論理積です。すなわち、タイムチャートのようにDinの立ち上がり直後の1クロックだけ“1”を出力します

 これをタイムチャートに落とし込むと、図3のようになります。

第3問のタイムチャート 図3 第3問のタイムチャート

期末考査−第4問の解答と解説

第4問

答え.

答え


 【問題17】の解説で紹介した方法で同期カウンタを設計すると、3ビットアップ・ダウンカウンタの機能は表1のようになります。

3ビットアップ・ダウンカウンタの真理値表 表1 3ビットアップ・ダウンカウンタの真理値表

 表1の真理値表から求められる“簡単化された論理式”は、

D0Q0

D1UPQ1Q0UP ・ Q1 ・ Q0 + UP ・ Q1Q0 + UP ・ Q1 ・ Q0

D2 = Q2Q1 ・ Q0UP ・ Q2 ・ Q1 + UP ・ Q2Q0

UPQ2Q1Q0 + UP ・ Q2 ・ Q1 ・ Q0

となります。これを基にすれば、解答で示した回路図を描くことができます。

2学期終業式 〜継続は力なり〜

 以上で、2学期の期末考査の解答と解説は終了です。また、今回をもって「完全マスター! 電子回路ドリルII」が終了となります。本当にお疲れさまでした。

 さて、2学期では「デジタル回路」をテーマに出題してきました。

 デジタル回路は、AND、OR、NOT、フリップフロップの基本論理素子から構成されます。しかし「駒が動かせても将棋にならない」のと同じで、デジタル回路を設計するには、まず表2のような基本的な回路をマスターする必要があります。

主要な基本デジタル回路 表2 主要な基本デジタル回路

 このうち、いくつかの回路は本連載で紹介しましたが、さらに3学期では「HDL(Hardware Description Language:ハードウェア記述言語)」により、“デジタル回路の技のバリエーション”を増やしていこうと企画しています。

 それでは皆さん、【3学期】の連載でまたお会いしましょう!(3学期編に続く)

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