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» 2008年10月30日 00時00分 公開

目指せ総合優勝! 東大の4日間 2008第6回全日本 学生フォーミュラ大会 レポート(3)(3/3 ページ)

[秋元健太郎/東京大学工学部 産業機械工学科 設計工学研究室,MONOist]
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12:30 コースウォーク

 午後のオートクロス競技に向けて、コースウォークというドライバーによるコースの下見が行われます。UTFFのドライバー2名もコースインし、歩いてコーナーの状態や走行ラインをイメージトレーニングします。

13:00―17:00 オートクロス

 午後はオートクロスが行われます。

 2名のドライバーが2回タイムアタックし、最速タイムを競います。タイヤが冷い状態から走るため、どのようにタイヤに熱を入れるかもチームの戦略の1つとなります。スピンしてしまうと、タイムを失ってしまうため、いかにスピンせずに攻めるかというのが難しいポイントです。

13:50 オートクロス ドライバー1人目

 4年の五月女の走行です。ピットでタイムを待ちますがなかなか連絡がきません。

   「五月女さんスピン!」

 おっと、やってしまった……。

 「マシンバランスがよくない」とのドライバーからの連絡がありました。一度ピットに戻って調整を行うことにしました。

14:00 アクセラレーション、スキッドパッド 成績掲示

 この大会では、競技途中にどんどん前の競技の結果が発表されていきます。まずは、午前中の競技の公式結果が掲示されました。結果はなんと、アクセラレーション1位、スキッドパッド2位。あまりに良い結果に驚くばかりです。でも喜ぶのはオートクロスでタイムを出してからです。気を引き締めます。

15:00 オートクロス ドライバー1人目 2本目

 セッティングをした後、気を取り直して2本目の走行です。

 現時点でのトップタイムは上智大学の「47.870秒」

 まずは安全にタイムを出しにいきます。

   「49.876秒」

 まずまずのタイムです。これでノータイムは避けられました。一度ピットに戻り、ドライバーを交代します。

15:50 コスト、プレゼンテーション審査 成績掲示

 マシンはもう走行エリアに行き、走行準備をしていました。このタイミングで静的審査の結果掲示です。

 何と! プレゼンテーション審査は1位でした。コスト審査も10位ながら、点数はかなり取ることができました。現時点でUTFFは2位。1位の上智大学と1.5点差という僅差です。これはオートクロスで何としても追い付かないといけません。喜びよりもむしろ焦りが募ります。マシンとドライバーを信じるしかありません。

16:30 オートクロス ドライバー2人目

 修士1年の海藤の走行です。

 現時点でトップタイムは上智大学の「46.598」。ドライバーには何秒で何点取れるか、いまチームが上智大学と競っていることを伝えます。

 後はドライバーにまかせるのみ。ピットから祈ります。

   「48.213秒」

 タイムを大幅に更新してきました。現時点で126点は確定。あとは2本目でタイムを伸ばせるかどうか。

   「46.966」

 よし! 上智大学に0.4秒差まで迫りました。いいタイムが出せてホッとしました。ドライバーの2人、お疲れさま。

18:00 オートクロス 成績掲示

 上智大学に続く2位。現時点でUTFFは総合2位です。上智大学と7点差となりました。まだ出ていないデザイン審査の結果が気になります。ピットでは、今日の健闘をたたえ、明日のエンデュランスに向けて最終の調整が行われました。

19:00 デザイン審査 成績掲示

 チーム初のデザインファイナル進出です。そこにはもちろん、上智大学もいました。これで明日のエンデュランスは朝一から上智大学と一騎打ちという形になりました。上智大学のリーダーの小野君とおたがいの健闘を祈り、握手をしました。

20:00 宿

 翌日の戦略は「もうひたすら全力で走るのみ!」。7点差を詰めるためには、何秒差あればいいかを計算して目標を設定し、ドライバーと最終打合せを行いました。厳しい戦いになることは予想されましたが、後はマシンを信じるしかありません。さすがに、これほど接戦になるとは考えていませんでした。まさかの展開です。優勝がかつてないほどに近づいていると感じました。

大会3日目(9/12) 6:00 会場入り

 天候は少し曇っていました。決戦の朝です。もう一度マシンの最終確認を行います。ピットは緊張感で張り詰めていました。

8:00―17:00 エンデュランス

パイロンを避けながら、確実に走る

 エンデュランスでは24周という長い距離を2名のドライバーで走ります。速さもさることながら、マシンを壊さないように走るのも非常に重要なポイントです。また、前日までの結果から、目標タイムを決め、ときには抑えて走ることもあるなど、チームの戦略が問われる競技でもあります。

8:00 エンデュランス開始

 最後の競技ということもあり、僕も走行エリアに入り、直接マシンの周回を見守ることになりました。エンデュランスでは上智大学と混走しました。朝一で、他大がどの程度の速さで走るのかも未知数のため、とにかく全力で走り切るだけでした。僕のところには両校のタイムがメンバーから伝わってきて、僕はそれをドライバーに無線で目標タイムを伝えるという体制を取りました。

【1人目がスタート】

 順調に周回を重ねます。特にマシンにもトラブルはないようです。しかし、上智大学が速い! 1周1秒以上のタイム差で、どんどん離されていきます。負けじとタイムを伸ばそうとしますが、なかなか伸びませんでした。マシンの差を見せ付けられました。

 12周を無事に走り終わり、ドライバーチェンジです。2人目の五月女に状況を伝え、ベストを尽くすように伝えます。

【2人目がスタート】

 またもや上智大学が速い。速過ぎる。1周2秒近いタイム差でどんどん近づかれ、ついには抜かれてしまいました。悔しい! もはや勝つのは無理か。とにかくベストを尽くし、完走してほしい。60秒程度のペースで周回を重ねます。一度スピンをするも、無事完走しました。

 マシンも完ぺきな状態で望んだにもかかわらず、勝てませんでした。まだまだ力不足です。悔しいけれど納得の結果だと思いました。ピットに戻り、ドライバーの健闘をたたえます。

 「お疲れさまでした」

12:00 ピット

ピットでの様子

 上位校の走行がおおよそ終わりました。チーム独自で行った得点集計の結果、総合2位はほぼ確定でした。上智大学とはエンデュランスで50点以上の差を付けられました。

 後は翌日のデザインファイナルを残すのみとなりました。午後は他チームとの交流の時間です。いろいろなチームのメンバーと交流し、楽しい休息の時間を過ごしました。

20:00 宿

 デザインファイナルに向けて、担当の打合せがありました。長かった大会も残り1日です。準備を少しした後で就寝しました。

大会最終日(9/13)

6:00 会場入り

 マシンを下ろし、展示の準備です。デザインファイナルの準備も平行して行いました。大会関係者やスポンサーの方々の対応、他チームとの交流など、さまざまな対応に忙しい時間です。

10:30 全体集合写真撮影

 全大学を集めての集合写真の撮影です。すべての車両が一カ所に集まる光景は圧巻です。

11:30 デザインファイナル

 デザインファイナルは、デザイン審査上位5校が、全大学の前で自分達の設計について質疑応答形式で答えるイベントで、デザイン審査の上位5校が順位を争います。昨年までは見る側だったのが、ついに見せる側になりました。質疑応答では、コンセプトや基本的な設計の方向性について問われます。1年間やってきたことには大いに自信があったので、堂々と答えました。

 講評で、「ユニークなコンセプト」というコメントと高い評価をいただき、自分たちが貫いてきたことがようやく認められたとうれしく思いました。

15:00 表彰式

表彰式

 総合2位!! 過去最高の順位に一同喜びます。ほかにも特別賞や各競技で合計11個のトロフィーを頂きました。

 東京大学が受賞した特別賞:CAE特別賞 3位、ユニークデザイン賞 2位、グッドフレームデザイン賞 3位

壇上で語る

 いままでの苦労を思い出し、とても感慨深く感じました。しかし、悔しさも残ります。この順位になってより強く、上智大学の強さを再認識させられました。来年こそは優勝をしなければ!また来年もUTFFは頑張ります。

 こうして長かった6回大会は幕を閉じました。大会を通じて、各校それぞれのドラマがあったと思います。今回のレポートはその一部でしかありませんが、何かを感じ取っていただけたなら幸いです。



 次の第4回では、いまや王者ともいえる上智大学チームの各パートリーダーが全員集合! 車両の秘密を明かします。(次回に続く)

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