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» 2008年11月14日 00時00分 公開

スピーディにリアル造形可能な「ZPrinter 650」を発売フルカラー3次元プリンタのZコーポレーションの新製品

[小林由美,@IT MONOist]

 Zコーポレーションは、2008年11月14日、フルカラー3次元プリンタ「ZPrinter 650」を日本で販売する。メーカー推奨価格は898万円。

 同社の3次元プリンターは、工場だけではなく、オフィスでの使用も想定されている。使い勝手は通常のプリンターとほぼ同様なので、専門トレーニングなども特にいらない。また競合製品ではまだないというフルカラープリントで、その技術に関する特許を持つ。

ZPrinter 650

 フルカラー大型3次元プリンタの従来品である「ZPrinter 450」では、アウトプットが「C」(シアン)「M」(マゼンタ)「Y」(イエロー)の3種だったが、今回の650では。新たに「K」(キートーン、色調)が加わった。従来製品でもCMYを重ねることで黒に近い色なら作れたが、表現には限度があった。今回、Kが加わったことで墨のような黒が表現可能となった。合わせて、解像度も600X540dpiに増えている。従来製品だと、300X450dpiが最大だった。

 造形エリアのサイズも254X381X203mmと大きくなり、従来よりもっと大きなモデルの造形も可能となった。従来の大型モデルである、「ZPrinter310 Plus」(モノクロ出力専用機)、先述のZPrinter 450の造形エリアは、203X254X203mm。

 以上の機能アップで、従来より表現力が一層増したことで、リアリティがある精巧なモデルが作成可能となったことを同社はアピールした。

ZPrinter 650による造形モデル

 造形材料として、セラミックやデンプンなどのパウダーを使う。出力後、造形エリアに残ったパウダーは吸引して回収し、約80パーセントまで再使用ができるとうたう。

Zコーポレーション ジャパン 代表取締役 宇野博氏

 「ZPrinter 650のプリント速度は、他社の3次元プリンタと比較すれば、5倍から10倍」とZコーポレーション ジャパン 代表取締役 宇野博氏は説明する。複雑な形状をした靴底なども数時間程度で成形可能だという。

 また複数の小さなモデルを同時製作できる。複数のパーツが入り組んでいて、かつお互い摺動(しゅうどう)させるようなモデルも、サポート材など一切なしで製作可能だ。

 同社プリンタが出力するモデルでは、テクスチャやシボなどの面肌も詳細に表現することができる。3次元データには、VRMLや3DSといったカラーデータを伴うSTLフォーマットが用いられる。通常のSTLには、カラーデータはない。また同社は、オリジナルデータフォーマット「ZPR」も開発している。こちらでは、テクスチャマッピングデータを付加することが可能だ。ただ、現状では建築系の3次元データのみの扱いだという。今後、製造業の機械設計向けのフォーマットも開発する予定とのことだ。

 同社はこれまで、製造業界(プロダクトデザイン分野)で大きなシェアを占めてきた。建築業界でもシェアを伸ばしているという。「日本国内の建築業界は従来、紙や2次元CADでの設計がメインだった。ただ、ここ数年で3次元(CADやBIM)による設計へ移行してきている動き。そういった背景もあるし、これからは建築業界に対しても積極的に売り出していきたい」と宇野氏は今後の抱負を語った。

 ほか同社のプリンターは、地理情報やセカンドライフのアバターとのデータ連携、フィギュアの製作など、多岐にわたる分野で応用されているという。

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