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» 2008年12月08日 00時00分 公開

インテル、「Atom」を武器にアミューズメント市場へ組み込みイベントレポート(3/3 ページ)

[石田 己津人,@IT MONOist]
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拡充が続く車載向けソリューション

 各分野のリーディングベンダの最新ソリューションも見応えがあった。携帯電話向けFOTA(Firmware Over-The-Air)、SCOTA(Software Components Over-The-Air)ソフトウェアで知られるレッドベンド・ソフトウェアは、新たに車載市場も狙い始めている。「Wi-FiやITS(高度道路交通システム)が整備されてくれば、携帯電話と同様に無線で車載機器のソフトウェアをアップデートしたり、コンポーネントを組み替えるニーズが出てくる」と見ている。一例として、無線で機能をカスタマズできるカーナビのデモ機を展示したり、現在はCD-ROMで配布するのが一般的なカーナビの更新データをネット経由で配布するソリューションなどを紹介していたが、車載向けのFOTA/SCOTAソリューションは市場性がありそうだ。


 車載ソフトウェア開発支援ツール大手のdSPACEは、リリースしたばかりの「TargetLink」最新バージョンを中心に展示を行っていた。TargetLinkは、「MATLAB/Simulink」で開発した制御モデルからTargetLink用のモデルに変換し、さらに量産用コードを自動生成するツール。「自動生成ツールとしては唯一、MISRAがTargetLink用の適用ガイドラインを策定しており、事実上の業界標準」という位置付けである(画像17)。自動車業界でソフトウェア開発の標準化はかなり進んでいるという印象を受けた。

車載ソフトウェアの量産コードを自動生成する「TargetLink」 画像17 車載ソフトウェアの量産コードを自動生成する「TargetLink」。MISRAが唯一、適用ガイドラインを策定し、業界標準の位置付けとなっている
関連リンク:
dSPACE

最新のARM Cortex-M3 Revision 2でアピールするNXP

 半導体メーカーとしてマイクロコントローラからディスクリートまで幅広い製品ラインアップを持つNXPセミコンダクターズは、今回のET2008から単独でのブース出展を行った。その目玉としてブース最前列に展示されていたのは、ARMコアを搭載したマイクロコントローラだ。中でもARM Cortex-M3 Revision 2をコアに採用した「LPC1700シリーズ」は2008年10月に発表されたばかりの新製品だ。Cortex-M3は低消費電力が特徴のコアで、Revision 2では初期バージョンでの不具合の修正と電源管理の改良が施された。「Revision 2を採用した製品としては世界初ではないか」とのことだ。最高100MHzで動作し、Cortex-M3の従来製品より28〜64%高速になったという。

ARM 9コアを搭載した「LPC3250」によるWindows CEのデモ 画像18 ARM 9コアを搭載した「LPC3250」によるWindows CEのデモ

 LPC1700シリーズは、同社のARM 7をコアに採用する「LPC2000シリーズ」の豊富なペリフェラルを踏襲しており、イーサネット・USB・CANの広帯域幅通信のインターフェイスをサポートし、バス接続なしで同時稼働が可能だ。製品出荷は2008年12月からなのでブースにデモ機はなかったが、ET2008でも注目のマイクロコントローラの1つだった。このほかに、同社ブースではARM 7/9をコアに採用したハイエンド向けの「LPC2000シリーズ」「LPC2900」「LPC3200」シリーズがデモ機とともに展示されていた(画像18)。

 またARM社のブースには、EDN Magazine誌の「Innovative Product of the Year Award」のマイクロコントローラ・コア部門を受賞した「LPC2478」による液晶画面を制御するデモも展示されていた(画像19)。ARMコアのマイクロコントローラで日本市場を開拓しようという同社の意気込みが伝わってくるようだった(※本項目のみ@IT MONOist編集部 上島康夫)。

NXPセミコンダクターズの「LPC2478」を使ったデモ 画像19 NXPセミコンダクターズの「LPC2478」を使ったデモ。2007年度のEDN Magazine誌「Innovative Product of the Year Award」を受賞したマイクロコントローラとして、ARM社ブースに展示されていた
関連リンク:
NXPセミコンダクターズ



 以上、ET2008の全容からはほど遠いが、展示会場で目に付いた点を紹介した。いまなお組み込み技術があらゆる面で盛んに進化を続けていることは確かだ。

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