PTC、Wildfire 5.0の機能の一部を公表Pro/Eのモデリングがフレキシブルに!

» 2009年01月16日 00時00分 公開
[小林由美,@IT MONOist]

 米PTCは2009年1月15日(米国時間)、米国マサチューセッツ州ボストンのPTC本社にて開催した年次アナリストイベントにて、「Pro/ENGINEER Wildfire 5.0」(以下、Wildfire 5.0)など同社製品のリリーススケジュールや機能の一部を明らかにした。

 Wildfire 5.0の正式リリースは、2009年6月に米国フロリダ州で行われる同社のユーザー会にて行う予定だという。 「高度で複雑な3次元モデルを扱いながらも、単純で簡単な操作ができるように改善しています」と米PTC 部門担当副社長 ブライアン・シェパード(Brian A. Shepherd)氏は話した。

画像1 米PTC 部門担当副社長 ブライアン・シェパード(Brian A. Shepherd)氏

 Wildfire 5.0では、フィーチャーやスケッチ寸法をドラッグして2次元形状を修正すると、その変更結果が即、3次元形状でプレビューできるようになる(「リアルタイム・リジェネレイション機能」)。Wildfire 4.0以前のバージョンでは、2次元寸法の修正後に再生を選択した後でなければ、3次元形状の状態を見られなかった。また、その機能を生かしてパターンの機能を強化した。例えば「Xmm×Ymmのピッチで、直径がZmmの穴」というパターンを指定した場合、「その面に詰められるだけの穴の個数」とすることができるようになる。正方形の立体に4つの穴が一定ピッチで均一に開いていたとする。その正方形の外形寸法をドラッグで外側に引っ張っていくと、大きくなっていく外形に合わせて穴が次々と増えていく。パラメトリックモデリングは緻密(ちみつ)で正確な寸法設定ができるが、設計者が意図しない修正に対して融通が利かないこともある。Wildfire 5.0には上記のようなフレキシブルなモデリング機能がいくつか加わる予定だという。

 またUIも改善し、Microsoft Office 2007のリボンUIを一部の機能で採用するほか、右クリックによる機能選択では、現在の作業に関係する機能のみをリストするようになる。Wildfire 4.0以前のバージョンでは、関連のない機能までリストされてしまう。

画像2 Pro/ENGINEER Wildfire 5.0の操作画面

 さらにWildfire 5.0には動的解析が加わり、ギヤやプーリー、ベルトなどの動きのシミュレーションが行えるようになる。ほかに、3次元データのインポート機能、2次元データの3次元化機能についての強化も行う。

 なお「Windchill ProductPoint 1.1」のリリースは2009年中旬を予定している。2010年には「Windchill 10.0」「Windchill MPMLink 10.0」「Windchill ProductPoint 2.0」をリリースする予定だという。「開発予算の超過や計画の遅延の原因の4分の1が、顧客からの要求が上流設計者にしっかり伝達されていなかったことが原因」とシェパード氏は話した。今後、Pro/ENGINEERやWindchillでは、上流設計に顧客要望を正確に伝える仕組みを構築していくという。

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