ムラタのCAEが応力解析で弾塑(そ)性に対応ムラタソフトウェアのFemtetは1周年

» 2009年06月08日 00時00分 公開
[小林由美,@IT MONOist]

 ムラタソフトウェアは2009年6月8日より、解析ソフトウェアの新製品「Femtet 8」を販売開始する。「Femtet」は設計者自らが使える解析ソフトウェアとして2008年6月2日より販売を始め、応力、電磁波、熱伝導、電磁場、磁場、圧電、音波の7種類の解析機能を廉価(ライセンス価格は年間でPC1台当たり20万円から)で提供している。

 今回のバージョンアップでは、既存ユーザーの要望に基づき、応力解析ソルバ、電磁波解析ソルバなどの機能向上、より使いやすいUIの実現などを目指した。

 まず応力解析で、弾塑(そ)性(バイリニア)材料の解析ができるようになった。弾塑性とは、加える応力が一定の値以内なら弾性変形(力を取り除けば元の大きさに戻る)するが、一定以上となると塑性変形(力を取り除いても変形したまま)が生じることをいう。これまでのFemtetの応力解析機能では弾性材料しか扱えなかった。

 電磁波解析のアンテナ解析では、放射効率(アンテナの送受信効率)の計算を可能にした。

 圧電解析では、音響インピーダンスを考慮し、境界条件を指定した面に対して垂直の方向の速度と応力が指定できるようになった。この機能によりモデルの周囲に存在する空気や水など流体の抵抗を解析に考慮することが可能だ。

 また磁場/熱/応力の連成解析を可能にし、基板上の電子部品の電流による熱が起因する応力分布や変形などの解析も行えるようにした。

 モデリング機能についても改善した。新たに追加したパラメトリック解析機能では、任意の寸法に対して簡単な「スイープ(掃引)設定」を行い、複数の寸法変化を組み合わせ、自動かつ連続的に解析することが可能だ。従来、このような解析はVBAのマクロを作成しなければならなかった。ほかXYZの方向にそれぞれ異なった表示倍率を指定する機能の追加、ブーリアン(和、差、積で成り立つモデル結合)機能の改善も行った。

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