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» 2009年09月15日 00時00分 公開

HPCという言葉をあなたはご存じ?HPCシステムズが製品展示会を開催

[小林由美,@IT MONOist]

 HPCシステムズは2009年9月15日、有楽町の東京交通会館で科学技術計算・CAE向け製品、シンクライアントやクラウドコンピューティングサービスなどの同社および協賛企業の製品の展示会を行った。

 HPCはハイパフォーマンスコンピューティング(High-Performance Computing)の略。科学技術計算の分野では非常にメジャーな言葉だが、それ以外の分野の技術者にとってはあまりよく知られていない言葉だ。「非常に平たく説明すれば、HPCはスーパーコンピュータ(スパコン)とパソコンの間に存在すると考えます。昔のスパコンでやってきた技術計算などの処理が、もう少し規模の小さいマシンで行えます」。同社のHPCは、複数のクラスタで並列処理を行うことで、科学技術計算の膨大な処理を高速化する。

HPCシステムズ マーケティング本部 プロジェクトマネージャ 小島 茂喜氏

 「当社の顧客は、これまでは研究所などの解析専任者の方が非常に多くいました。今後は、そこからもう少しターゲットを広げ、CAEを使う設計者にも訴求していきたいと考えています」とHPCシステムズ マーケティング本部 プロジェクトマネージャ 小島 茂喜氏はいう。研究者と比較すれば、設計者はIT製品やネットワークの知識に乏しい場合が多い。そこで同社では、そういった人たちのためのネットワークや設定のサポートも手厚く行うようにしているとのことだ。その一環として、同社はムラタソフトウェアのCAE「Femtet」のバンドルモデル(HPC5000、HPC1500)も展開している。手元に届いたその日からCAEが誰にでも手軽に使えることを売りとしているという。

 Femtetは解析初心者に配慮されながらも、解析専任者の要求に応えるほどの高度な解析まで行えるものだ。もっとも、設計者が多く行う部品単体部品の解析なら、一般の市場に出回るPCでも、ノートパソコンでもFemtetは動作するはずで、スパコン並みのマシンを備える必要性は必ずしもあるのかどうか。

 「ノートパソコンで動くといっても、実務レベルの解析では苦しい場面が多いです。また設計者の扱うレベルの解析であっても、一般的なスペックのPCでは数日処理に費やす場合もあります」。そうであっても決して、実務ができないわけではないが、その部分の時間が大幅に短縮されれば、ユーザーの作業時間や心理的負荷を軽減することができる。設計者向けCAEが徐々に広がりつつあるいま、解析時間を少しでも少なくしていこうという動きは大いに見られると小島氏はいう。

 HPC関連の技術者は、現在非常に不足しているという。同社では、HPC技術者養成にも今後、より多くの力を注いでいく。2009年9月15日には、HPCアカデミー入門コースの開講を発表。HPCに関する基礎知識の講座のほかに、モノづくり系の技術計算では不可欠なFEM(有限要素法)やCFD(流体解析)に関する講座も併せて設ける予定とのことだ。

 同展示会の中で行ったセミナー『CUDAによるGPGPUのはじめかた』では、CPUでの計算をGPUに移す概要やその効果、課題点について分かりやすく述べられた。従来のGPU(Graphics Processing Unit)は画像処理の際の単純かつ高負荷な処理を得意としてきたが、近年のゲーム機の高度な画像処理に対する要求に応えていくうちに、さまざまな計算処理が可能となった。そのような技術背景から、科学技術計算のような汎用計算にもGPUを応用しようと生まれた開発環境がNVIDIAの「CUDA(クーダ)」。CPUで処理してきた計算データをGPUへコピーし、そこで計算を実行させる。そうすることで従来行ってきた計算処理の効率が向上し、時間も大幅短縮されるという。大規模になる流体解析などで応用できるとのことだ。

2.jpg,,CUDAによるGPGPUのはじめかたセミナー

 GPUの性質上、Microsoft Officeなどのオフィススイートのような分岐処理が多いシステムの処理には極めて不向きだとのことだ。

 なお同社の「メニーコアと格闘ブログ」では、同社の技術者によるGPGPUとCUDAを使った並列化アプリケーション開発の奮闘記が読める。CUDAについて詳しく興味がある方はそちらをご覧いただきたい。

 また同社のパーソナル・クラスタ新製品であるHPC6000シリーズ「BoxCluster」を利用したシンクライアントシステム「BoxCluster VDI」を展示。BoxCluster1台で最大で60クライアントまで管理できるという。HPCサーバに仮想OSを持たせ、それぞれユーザーは固定のマシンを持たず、そのサーバ内のそれぞれのクライアントへアクセスするようにする。内部統制などで個人のデータについての厳しい管理が求められる昨今、サーバ管理者やユーザーの心理的負担を減らすことも1つの目的としているという。ユーザーはモニター下部にあるスロットにカードを指すことで、サーバ内の環境を読み出すことができる。OSの切り替えも、カードごとで行える。

 同システムはサン・マイクロシステムズでも採用実績があり、民間企業のほかに行政や教育機関などでの採用も多いという。ただしBoxClusterは3次元CADなどの画像処理に弱いとのことなので、その場合はBoxClusterだけでは処理をまかなえず、通常のPCにアクセスし処理をさせるなどの工夫を行う必要がある。

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