全長120センチ!! 研究・教育用ヒューマノイド発売日本工業大学による「教師型」ヒューマノイドも

ロボット開発ベンチャーのZMPは、研究・教育に最適な人間サイズの大型ヒューマノイドプラットフォーム「e-nuvo HUMANOID」の販売を開始した。

» 2009年12月24日 00時00分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

 2009年12月21日、ロボット開発ベンチャーのZMPは、人工知能、ヒューマンインターフェイス、BMI(ブレインマシンインターフェイス)、ユビキタスコンピューティングなどの研究・教育に最適な人間サイズ(全長120cm)のヒューマノイドプラットフォーム「e-nuvo HUMANOID」の販売を開始した。


e-nuvo HUMANOID 画像1 e-nuvo HUMANOID

 「Microsoft Robotics Developer Studio(MRDS)」の物理シミュレータを用いることで、PC内の仮想ロボットと現実のロボットとを同一プログラムで動作させることが可能。物理シミュレータ上では重力が働き、個々の剛体には下方向への加速度とジョイントの軸周りの角加速度が発生するが、ロボットの関節にトルクを与えることで体を支えることができるとのこと。

MRDSの物理シミュレータ 画像2 MRDSの物理シミュレータ

 また、ほかの物体との相互作用も考慮されており、右足下で地面と接し、反力を得ることで、その場に静止することも可能だという。同社は、ロボットの力学的な挙動の確認、動的な制御がシミュレーション可能で、機械工学の基本である物理・力学の学習に有効としている。

 以下、同製品の主な仕様を示す(表1)。

大きさ 高さ:122.4cm、幅:39.6cm、奥行:25.8cm
重量 13kg
関節自由度 21自由度(頭部:3自由度、腕部:3自由度×2、脚部:6自由度×2)
センサ カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、障害物検知センサ(赤外線)、測距センサ、焦電センサ
通信 無線LAN(IEEE 802.11 b/g/n)
電源 バッテリ(リチウムポリマー)
駆動時間 約1時間
ユーザーインターフェイス PC、リモートコントローラ
標準価格 698万円(税込)
納期 受注生産:納期2〜3カ月程度
表1 e-nuvo HUMANOIDの主な仕様

 これに関連し、日本工業大学 機械システム学群創造システム工学科が、同製品をベースに、外装をデザインした教育用大型ヒューマノイド(「教師型」ヒューマノイド)を発表している(2009年12月19日)。

日本工業大学の事例 画像3 日本工業大学の事例

 ZMPとの共同開発で、“教師型”という開発コンセプト(プロジェクション機能や会話機能を搭載)、および外装デザイン(注)は、学生からの公募がベースとなっているとのこと。詳しくは、日本工業大学のプレスリリースをご覧いただきたい。

※注:プロダクトデザイナー根津 孝太氏が、学生のアイデアを基に外装をデザイン。外装の設計製造は原田車両設計が手掛けている。


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