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» 2010年04月01日 00時00分 公開

輝き放つ車載LED (5/5)

[本誌編集部 取材班,Automotive Electronics]
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調光比が5000:1の製品も

 自動車システムの種類によって、使用するLEDの種類、個数、接続方法などは異なる。そのため、それぞれのシステムに最適なLEDドライバICが提案されている。

 現在、最も競争が激しいのが、カーナビなどに用いられる液晶ディスプレイのLEDバックライト向け分野である。カーナビに用いられる6〜8インチの液晶ディスプレイのLEDバックライトでは、7〜8個のLEDを直列で接続したLEDストリングを、数本並列で並べて使用するのが一般的である。このため、昇圧タイプのDC-DCコンバータ回路を内蔵し、並列接続に対応可能なLEDドライバICが多く用いられている。ただし、カーオーディオなどに搭載されている小型の液晶ディスプレイは、LEDの直列接続個数は4個以下になるため、昇降圧タイプの製品が必要になることもある。

 車載用液晶ディスプレイのLEDバックライト向けでは、明るさを制御するPWM制御回路の調光比が重視される。米Maxim Integrated Products(以下、Maxim)社によれば、「車載用途では、日没時などに液晶ディスプレイに外光が直接当たる場合には、LEDバックライトの輝度を非常に低くする必要がある。一方、夜間など外光がない環境では、LEDバックライトは最大限まで明るくしなければならない。そのため、PWM制御回路の調光比は高いほうがよい」という。Maxim社と米Linear Technology(以下、Linear)社は、調光比が最大で5000:1の製品を提供している。

 米Intersil社は、並列で接続したLEDストリング間の電流誤差が±1%であることや、低輝度においても正確な表示が可能なことなど、高い表示画質を実現できることを特徴とした製品を展開している。

 ロームは、DC-DCコンバータ回路に特徴を持たせた製品をそろえている。昇降圧タイプの製品では、同社が「REGSPIC」と呼ぶ独自技術を採用している。「一般的な昇降圧型のコンバータはSEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)という技術を用いているが、外付け部品としてコイルが2本必要となる。REGSPICでは、外付けのコイルが1本で済み、SEPICと比べて電力効率を5〜10%向上できる」(ローム)という。また、昇圧タイプでも、DC-DCコンバータの発振周波数を、従来の600kHzから2MHzに高めた製品を新たに開発した。発振周波数を2MHzにすることで、自動車のノイズ対策で重要になるAMラジオの周波数帯を避けられるとともに、外付けのインダクタの小型化が可能になる。

ハイサイド電流センスが肝に

写真4OsramOptoSemicoductors社のLEDパッケージ「OSTARheadlamp」 写真4 OsramOptoSemicoductors社のLEDパッケージ「OSTARheadlamp」 パッケージの中央に並ぶ5個の黄色い素子がLEDである。

 LEDヘッドライトに用いられるLEDパッケージは、高輝度の白色LEDを5個前後、直列で接続することにより、ヘッドライトとして利用できる明るさを実現している。例えば、Audi A8のフルLEDヘッドライトに採用されている、ドイツOsram Opto Semicoductors社のLEDパッケージ「OSTAR headlamp」は、LEDを5個まで搭載することが可能である(写真4)。一方、レクサスLS600hのLEDヘッドライトに採用されたLEDパッケージには、LEDが4個搭載されている。

 一般的な白色LEDを5個直列で接続した場合、LEDドライバICのDC-DCコンバータからLEDストリングに出力する電圧としては17.5V(3.5V×5個)以上が必要になる。しかし、先述したように自動車の電源電圧は大きく変動するため、DC-DCコンバータには、昇圧と降圧、双方の機能が必要である。

 LEDヘッドライト向けに、積極的にLEDドライバICを展開しているのが、Maxim社とLinear社である。両社が重視しているのは、ハイサイド電流センスの技術だ。ハイサイド電流センスとは、LEDに流れ込む電流値を検知して制御する手法のことである。一方、ローサイド電流センスの場合には、LEDに流した後の電流値を検知して制御を行う。Linear社は、「ハイサイド電流センスの機能を組み込むことにより、降圧タイプ、昇圧タイプ、昇降圧タイプのどの方式にも対応する『マルチトポロジのLEDドライバIC』を実現できる」として、その利点を強調する。

 また、ハイサイド電流センスの場合には、LEDのカソード側からLEDドライバICへのフィードバックが不要になるというメリットも得られる。

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