連載
» 2010年05月25日 00時00分 公開

ラプラス変換と割り切ったお付き合いをするよ独学! 機械設計者のための自動制御入門(6)(2/4 ページ)

[岩淵 正幸/技術士(機械部門),@IT MONOist]

ついに出た! ラプラス変換

ついに出てきましたか……(ラブプラスならよかったのにね)

ラプラス変換は使いたくなかったけど、これを使わんと、かえって難しく、かつ面倒くさいことになるからな。ラプラス変換については、ここでは、取りあえず、道具として機械的に利用することにしようや


そうだね。難しいこといわれてもよく分からないし……


ここでは、『ラプラス変換』とは『物体の運動や物理状態を表現する微分方程式を代数方程式(掛け算とか割り算)に変換して表現したもの』と考えてほしい。ここから、先は、道具の使い方の説明だと思って、割り切って聞いてな


分かったよ


入力xをラプラス変換したものを『L(x)』と書くことにしよう


出力yは、『L(y)』だね


そうや。入力xに比例定数Aを掛けたものが出力yである場合、ラプラス変換したもので表現すると、

  y=A・x ⇒ L(y)=A・L(x)    (3)

で、何も変わらへん


普通の掛け算と同じだ


しかし、微分や積分はちょっと違う。出力yが入力xを微分したものである場合に、ラプラス変換したもので表示すると


『s』は『ラプラス演算子』だと習ったよ。でも、sが何を意味するのか、さっぱり理解できなかったよ


ここでは、sの数学的説明はせえへんでー。ラプラス変換という道具の使い方の説明に終始するわ


分かったよ。じゃあ、出力yが入力xを積分したものである場合は?


その場合はこうだ


取りあえず、これだけ覚えれば、道具としてのラプラス変換を使うことができる


微分はsを掛け、積分はsで割る。じゃあ、s2を掛けるのは、2回微分することで、s2で割ることは、2回積分することになるんだね


そういうことやねん


だからラプラス変換は、微分方程式を代数方程式に変換しているっていうんだね


それだけやないんや。ラプラス変換を使うと、ボード線図が簡単に描けるんや!


 ラプラス変換を使って、バルブモータコントローラの新たな伝達関数G1のボード線図を描く前に、図1の浴槽の水位制御のブロック線図を、ラプラス変換表示してみましょう。

 (1)の微分方程式をラプラス変換すると、

となります。代数演算によって整理すると、

となり、ラプラス変換した伝達関数G1は、

です。

 上の計算は、ブロック線図でも表すことができます(図3)。

図3 ラプラス変換の計算をブロック線図で表す

 これに比例要素を並列に加えると、図4になります。

図4 比例要素を並列に加えてみた

 同様に、G3については以下のとおりです。

 伝達関数のラプラス変換表示は、こちら。

 大文字のSは浴槽の断面積です。ラプラス演算子の小文字sと紛らわしいので注意してください。そして、バルブ−流量特性G2は、以前と同じような式となります。

 バルブモータコントローラの伝達関数G1について、ラプラス変換を使って比例+積分とした制御システムのブロック線図を表示すれば図5になります。

図5 比例+積分制御による浴槽水位制御ブロック線図

ラプラス変換を使えば、バルブモータコントローラの伝達関数G1を、まるで分数のように計算できることは分かったよ。で、どうやって、G1の周波数応答特性、つまりボード線図を描くことができるのさ?


実はな、草太が、なんのこっちゃ分からんかったラプラス演算子sを

  s=i・ω   (12)

と置いて、計算すればいいんや。なんで、そうなるかは、ここでは説明せえへんよ


その理由は自分で勉強して理解することにするよ。とにかく、周波数ω(rad/min)に虚数iを掛けたものをsとすればいいんだね。すると……


で、ここからどうする?


さっきいったやろ、代数として計算すればいいって


あ、そう。じゃあ……


ωを0から+∞まで変化させたときのG1の絶対値と位相を計算すればボード線図が求まるやん


 では、実際にボード線図をどのように作成するか説明してみましょう。

 まず伝達関数G1は、絶対値をA、位相をθとすると、オイラーの公式より、

と書けます。

 ですから、

となります。(17)式からG1の絶対値A、位相θを計算することができます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.