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» 2010年06月03日 12時00分 公開

ZigBeeで知る物理層測定の基礎(4):ZigBeeのIEEE試験 (2/2)

[アジレント・テクノロジー 福島 理絵,@IT MONOist]
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受信機試験

 続いて受信機試験についてご説明します。

 受信機の試験には、2.4GHz帯のZigBeeのパケット信号を出力できるベクトル信号発生器、またはGolden Deviceを使用します。ZigBee信号を被測定デバイスに入力して、デバイス側でPER測定を行う、受信感度の試験によって、デバイスの受信性能を評価します。

photo 図6 受信機試験 セットアップ例

 このとき、デバイスには連続受信およびPER測定を可能とする「テスト用の受信モード」が必要です。また、PER測定にはチップベンダなどから提供されるPER評価ツールを使用します。

※PER…Packet Error Rate。総パケット数のうち、エラーとなったパケットの比率。

photo 図7 802.15.4-2003フレーム構造

 受信感度試験に使用するパケット信号は、802.15.4-2003規格に記載のとおり、ペイロード部分にランダムデータを埋め込んだ信号を用意します。MACヘッダー部分(フレーム制御〜アドレス情報)に、被測定デバイスによる指定の値を使用するケースもあります。

 ベクトル信号発生器を使用するメリットは、任意の周波数・レベル設定が可能であること、またGolden Deviceに比べて測定結果の信頼性が向上することが挙げられます。ステップ・アッテネータを使用すればGolden Deviceを使用して試験を行うことができますが、周波数や振幅レベルの校正方法を考える必要があります。

・6.5.3.3 Receiver sensitivity

 −85dBmという低いレベルの信号を被測定デバイスに入力してPERを計測する、最小受信感度の試験です。このレベルにおいて、PERが1%未満であることを確認します。

・6.5.3.4 Receiver jamming resistance

photo 図8 妨害波の試験

 上記の最小感度試験に妨害波信号源をプラスします。具体的には2台のベクトル信号発生器を用意し(片方、または両方にGolden Deviceを使用するのも可)、コンバイナを通して被測定に2信号を入力し、希望波のPERが1%未満であることを確認します。希望波は最小感度試験よりも3dB高い、−82dBmで入力します。

 妨害波は2種類あります。

- 隣接チャネル:希望波の周波数の上側(または下側)に5MHzずれたところに希望波と同じレベルで入力
- 次隣接チャネル:希望波の周波数の上側(または下側)に10MHzずれたところに希望波よりも30dB高いレベルで入力


 デバイスに入力するのは1波ずつなので、4回試験することになります。

・6.7.6 Receiver maximum input level of desired signal

 6.5.3.3の最小感度試験と同じセットアップ(妨害波はなし)で、被測定デバイスに対して、今度は−20dBm以上という高いレベルのパケット信号を入力します。この状態でもPERが1%未満になることを確認します。

 以上が、IEEE802.15.4-2003の送受信機テストの概要です。イメージは分かりましたでしょうか? どちらの場合も、デバイス側でテストモードを用意しておくことがポイントです。

 最終回となる次の第5回は、技適の概要をご説明します。

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