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» 2010年07月29日 00時00分 公開

Windows Embedded Standard 7概論(2):どこが変わった? 刷新されたWES7のツール【前編】 (2/2)

[中田佳孝(安川情報システム),@IT MONOist]
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Image Builder Wizard(IBW)− WES7の新ユーティリティ −

 ここからは、WES7のToolkitについて解説します。

 「Image Builder Wizard(以下、IBW)」は、WES7から新しく導入されたユーティリティで、「Windows PE 3.0(Windowsプレインストール環境)」上で動作するアプリケーションです。ブート可能なメディア(USBメモリやDVD-ROM)にIBWのイメージを格納して、直接ターゲット機器上で実行します。

 WES7のOSイメージは、ウィザードにより対話的に構築できます(図5)。

 また、IBWでは以下の操作・設定が可能です。

  • OSイメージに含めるパッケージをDistribution Shareから選択
  • テンプレートを使用して、OSイメージに含めるパッケージを選択(あらかじめマイクロソフトから7種類のテンプレートが提供されています)
  • OSの言語や日付表示の設定
  • 接続されているHDDなどに対するパーティション作成やフォーマット
  • ターゲット機器に接続されているデバイスを自動取得 
    →デバイスに対応するドライバは、Distribution ShareのDriver Packに含まれていれば自動的に組み込むことが可能

 上記の設定が完了すると、自動的にパッケージの展開が行われ、必要に応じて再起動し、ユーザーやパスワードの設定などを行うOOBE(Out of Box Experience)フェイズを経て、インストール完了となります。

IBWにおけるウィザードの一例 図5 IBWにおけるウィザードの一例

 なお、IBW単体ではパッケージ内の各種設定(例えば、Internet Explorerのスタートページ設定や、Enhanced Write Filterの対象ボリュームなど)が行えません。OSインストール完了後に手動で設定するか、または次回解説する「Image Configuration Editor(以下、ICE)」を併用することで設定できます。

OS開発の流れ− WES2009との違い −

 続いて、OS開発の流れを比較してみます。

 前バージョンのWES2009では、

  • (1)ターゲット機器のハードウェア情報を取得
  • (2)開発用PC上でOS構成を決め、OSイメージをビルド
  • (3)出来上がったOSイメージをターゲット機器のブートHDDなどにコピー

というような流れで開発を行っていました(図6)。

WES2009でのOS開発の流れ 図6 WES2009でのOS開発の流れ

 WES2009の場合、ちょっとした評価用OSを作成する場合でも開発用PCでビルドする必要があり、手間や時間がかかっていました。

 図7は、WES7でのIBWを使った開発の流れを示しています。

WES7でのIBWを使った開発の流れ 図7 WES7でのIBWを使った開発の流れ

 IBWでは、パッケージの詳細な設定ができないため、製品の要件によってはIBWでOSイメージを展開後に、手動で設定を変更するといったことも必要になる場合があります。しかし、例えばプロトタイプとしてのOSであれば、簡単かつすぐに作成できるため、開発リードタイムの短縮につながるといえるでしょう。



 さて次回は、IBWのカスタマイズやIBWイメージの生成を行うためのツールICEについて解説します。お楽しみに!(次回に続く)


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