連載
» 2010年09月28日 00時00分 公開

Windows Embedded Standard 7概論(3):どこが変わった? 刷新されたWES7のツール【後編】 (2/2)

[中田佳孝(安川情報システム),@IT MONOist]
前のページへ 1|2       

(5)パッケージの設定

 Answer Fileに追加したパッケージの設定を行います。

 例えば、「Internet Explorer 8」でブラウザを起動した際に最初に表示されるページを設定する場合ですが、まず、Answer Fileペインで「Internet Explorer 8 Browser」を選択します。すると、[Setting]タブに、設定できる項目の一覧が表示されます。Settingタブの右上に表示されているFilter viewを「4 Specialize」にセットします。Settingタブ内の項目が編集可能になるので、項目[Home_Page]のValue列に最初に表示したいページのアドレスを入力してください。


パッケージの詳細設定例 図7 パッケージの詳細設定例

 そのパッケージでどのような設定項目があるか、また各項目でどのような値を設定するかは、ヘルプに詳細が記載されています。

 Answer Fileペインで調べたいパッケージをクリックして選択状態にし、[F1]キーをクリックすると、そのパッケージに関するヘルプが表示されるので、確認してみてください。

(6)パッケージの依存関係チェック

  パッケージによっては、動作するためにほかのパッケージが必要なものがあります。それらパッケージの依存関係は、ある程度自動的に調整することが可能です。

 メニュー[Validate]−[Add Required Package]を選択すると、現在Answer Fileペインに登録されているパッケージを調査し、必要とするパッケージを自動的に追加します。

 自動で解決できなかった依存関係があると、Messagesペインの[Validation]タブに×印のアイコンが表示されます。この行をダブルクリックすると、「Resolve Dependencies」ダイアログが表示され、解決できなかった依存関係の一覧がチェックリストツリーとして表示されます。

 チェックボックスにチェックを入れるとAnswer Fileペインにパッケージを追加します。逆にチェックを外すと、Answer Fileペインからパッケージが削除されます。表示に従って、チェックボックスを操作してください。その項目の依存関係が解決されると、ツリー内に「Resolved」と表示されます。

依存関係のチェック 図8 依存関係のチェック

 ツリー内のすべての依存関係を解消して[OK]ボタンを押すと、ダイアログが閉じ、Messagesペインが更新されます(取り消し線が引かれた状態)。再度、メニュー[Validate]−[Add Required Package]を選択し、手動で追加したパッケージの依存関係のチェックを行ってください。

依存関係のチェック(解消後) 図9 依存関係のチェック(解消後)

(7)Answer Fileの保存

 メニュー[File]−[Save Answer File]、または[Save Answer File As …]を選択し、Answer Fileを保存してください。

カスタムIBWの作成

 ICEでは、Answer Fileを使用したカスタムIBWを作成することもできます。カスタムIBWを作成することで、ウィザードで対話的に設定することなくパッケージの選択などが自動化できます。また、必要なパッケージのみを含むIBWイメージを作成できるため、格納するメディアの必要容量を抑えることができます。

 メニュー[Tools]−[Create Media]−[Create IBW Image From Answer File]を選択してください。Create IBW Diskダイアログが表示されるので、下記の項目を設定し、[OK]ボタンを押してください。すると、自動的にカスタムIBWイメージが指定フォルダに作成されます。

  • [Select the target folder for the image]……IBWイメージの保存先フォルダ

 カスタムIBWをUSBメモリから実行したい場合は、保存先をブート可能なUSBメモリに指定してください。ただし、ドライブのルートディレクトリに保存する必要があります。

 カスタムIBWをDVDメディアから実行した場合は、先のoscdimgツールの説明を参考にDVDメディアを作成してください。

カスタムIBWの作成 図10 カスタムIBWの作成

Target Designerとの違い:

ICEは、「Windows Embedded Standard 2009(以下、WES2009)」での「Target Designer」に当たるツールといえます。「OSイメージに含める機能を取捨選択する」という機能は変わっていませんし、操作感もあまり変わっていませんが、OS開発の仕組みが大きく変わっている点に注意が必要です。

というのも、WES2009では開発PC上でTarget DesignerによりOSイメージのビルドを行っていましたが、WES7のICEではOSイメージのビルドを行いません。ICEで作成するのは、IBWの動作を制御するためのAnswer FileおよびそのAnswer Fileを使用するIBWです。そして、ビルドを行うのはIBWの役目で、ターゲットPC上で行われます。


3rdパーティアプリケーションの動作に必要なパッケージの解析

 例えば、作成するWES7上で自社開発したアプリケーションを実行させたいという場合が多々あるかと思います。ICEでは、アプリケーションが必要とするパッケージを調査することが可能です。

 メニュー[Tools]−[Analyze Static Dependencies]を選択してください。ファイル選択ダイアログが表示されるので、解析したいアプリケーションを選択してください。自動的に解析が実行され、以下のようなダイアログが表示されます。

 [Mapped Dependencies]タブには、アプリケーションを動作させるために必要なファイルを含むパッケージが表示されます。チェックボックスにチェックを入れて[OK]ボタンを押すと、パッケージが自動的にAnswer Fileに追加されます。

 [Unmapped Dependencies]タブには、パッケージ内に見つからなかった必要ファイルが表示されます。パッケージ内に存在しないファイルは、手動で追加する必要があります。

Analyze Static Dependenciesの実行画面 図11 Analyze Static Dependenciesの実行画面


 今回は、WES7で刷新された開発ツールであるICEについて解説しました。次回は「AppLocker」といったWindows 7で提供される最新技術を、WES7上で使用する方法を紹介します。(次回に続く)


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.