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» 2010年10月01日 00時00分 公開

電気自動車開発技術展 2010:主役は充電システム、EV化技法にも注目集まる (2/2)

[本誌編集部 取材班,Automotive Electronics]
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EV化技法の可能性

 最後に、EV化技法と車載2次電池システムに関する展示を見てみよう。


写真8EVコンバージョンキットを適用したスズキの「エブリイ」 写真8 EVコンバージョンキットを適用したスズキの「エブリイ」 マイクロ球状シリコン太陽電池パネル(オプション)が車両の屋根部に装着されている。
写真9EV専用ソフトウエアプラットフォームのデモ 写真9 EV専用ソフトウエアプラットフォームのデモ 左側にあるECUに組み込んだEV専用プラットフォームを用いて、右側のラジコンのモーターや2次電池モジュールを制御している。
写真10いすゞ自動車のPHEVトラックに採用された車載充電器 写真10 いすゞ自動車のPHEVトラックに採用された車載充電器 出力電力は、左が3kWクラスで、右が9kWクラス。
写真11内部接続にFPCを用いた車載2次電池モジュールのモックアップ 写真11 内部接続にFPCを用いた車載2次電池モジュールのモックアップ 
写真12日立マクセルのラミネート型Liイオン電池 写真12 日立マクセルのラミネート型Liイオン電池 左が電池セルで、右が電池モジュール。

 タジマモーターコーポレーションは、軽自動車向けを想定して開発を進めている「EVコンバージョンキット」を披露した(写真8)。同キットは、モーター、インバータ、Liイオン電池モジュールなど、電動システムを構成する部品から成る。改造元となるガソリンエンジン車のエンジンルームなどにこれらの電動システムを収めることが可能なので、荷室の容量を減らすことなくEV化できることを特徴とする。Liイオン電池モジュールを除いた価格は約100万円。Liイオン電池モジュールの価格は、走行距離が70km〜80kmの場合で150万円〜160万円程度になるという。

 日立アドバンストデジタルは、EV専用のソフトウエアプラットフォームに関する展示を行った(写真9)。同プラットフォームは、EVのモーターや2次電池ユニットの制御を行うECUのソフトウエアを開発するのに利用できる。同社は、ガソリンエンジン車をEVに改造する用途を中心に、2010年度末までにこのプラットフォームの販売を開始する予定である。

 ASTIは、いすゞ自動車が開発中のプラグインハイブリッド(PHEV)トラックに採用された車載充電器を展示した(写真10)。展示されたのは、入力電圧範囲が100V〜240Vで、出力電力が3kWクラスの車載充電器である。また、この車載充電器を3個組み合わせることにより、9kWクラスの出力電力を達成できる車載充電器も展示した。

 NOKは、フレキシブルプリント配線板(FPC)を用いて内部配線を行った車載2次電池モジュールのモックアップを展示した(写真11)。一般的な車載2次電池モジュールでは、内部に組み込んだ複数の電池セルの間を接続するために、電線や金属板などが用いられている。NOKは、「電線や金属板に替えてFPCを用いることにより、電池モジュールの小型化や軽量化を実現できるようになる。また、配線構造を簡素化することで、信頼性を向上する効果も期待できる」としている。

 日立マクセルは、開発中のラミネート型Liイオン電池セルと、複数の電池セルを組み合わせた電池モジュールを展示した(写真12)。電池セルのサイズは幅142mm×高さ235mm×厚さ6.5mmで、質量は340g。公称電圧は3.7V、定格容量は10Ahとなっている。電池モジュールでは、この電池セルを6個直列で接続したものを1組として、並列で5組接続している。

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