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» 2011年02月28日 12時00分 公開

MPUとの連携で存在感を強めるザイリンクスのFPGA電子機器 イベントレポート(28)TEDプログラマブル・ソリューション 2011(3/3 ページ)

[石田 己津人,@IT MONOist]
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I/Oフレキシビリティを目指すインテル

 FPGAとつながるMPUは何もARMだけではない――インテル技術本部の志村 泰規氏とTED CN事業統轄本部IAソリューション部の竹丸 広一郎氏が行った「インテルアーキテクチャとFPGAで加速するByond PC」と題する講演も目を引いた。

 まず、インテルの志村氏が組み込み分野の中でもハードウェア制約が厳しい“リアルエンベデッド”市場に向けた同社の取り組みを語った。その中でコスト・消費電力・リアルタイム性・長期供給と並んで挙げられた課題の1つが、多種多様なI/Oをサポートする“I/Oフレキシビリティ”である。

photo インテル 技術本部 志村 泰規氏

 そしてリアルエンンベデッドに向けた「Atomプロセッサ」の中でI/0フレキシビリティを指向しているのは「Queensbay」。その第1弾が2010年9月にリリースされた「Atom E6xx」(開発コード名:Tunnel Creek)である。Atom E6xxは、CPUにメモリコントローラ、グラフィックスコントローラなどの機能を搭載。SPIなど最小限のI/Oインターフェイスを持つためCPU単独でも駆動するが、業界標準バスのPCI Expressによって外部チップと接続可能だ(従来のAtomはFSBなど独自仕様バス)。必要とするI/Oによって、インテル純正もしくはサードパーティのIOH、ディスクリートデバイス、ASIC、FPGAをつなげられる。この柔軟性がI/Oフレキシビリティと呼ぶゆえんだ。

photo I/Oフレキシビリティを指向したAtom E6xxのブロック図
photo 業界標準バスのPCI Expressにより各種の外部チップと接続可能なAtom E6xx

MPU+FPGAで付加価値を創出する

 特に志村氏はAtom E6xxをはじめとするEiA(Embedded Intel Architecture)とFPGAの組み合わせがもたらすメリットを力説した。「例えば、工業用コントローラではASIC/ASSPがよく使われているが、それでは稼働後に柔軟性と拡張性が望めず、短期開発、ソフトウェア再利用も難しい。それがEiA+FPGAなら、FPGAで柔軟性が担保され、ソフトウェアを再利用しながらCPUをAtomラインアップの中、果てはデスクトップ用のCoreまで拡張できる」。

photo Atom E6xxとFPGAの組み合わせなら高い柔軟性、拡張性が得られる

 インテルからのメッセージを受け継いだTEDの竹丸氏は、組み込み業界での“生き残り戦略”という観点から、EiAとFPGAの組み合わせを推奨した。「今後の組み込み業界では、少量多品種生産・短納期・高付加価値に対応しなければ生き残れない。少量多品種生産・短納期という点では、標準化された汎用OSとEiAを使うに限る。ただ、それだけでは差別化できない。そこでFPGAに独自プログラムを実装していくことで付加価値を出していく。ユーザー要求や環境の変化に対応していく点でもEiA+FPGAが適している」。

photo 東京エレクトロン デバイスの竹丸 広一郎氏
photo 標準化の利点を得る汎用OSとEiA、差別化で付加価値を生み出すFPGAと独自プログラム

 そのうえで竹丸氏は「EiAとFPGAの組み合わせは、産業用、医療用の画像処理装置やPLC/ロボット、複合機などではすでに一般的だが、さらに幅広い用途で使える」と指摘。TED自身が開発した2つのソリューションを紹介した。1つは、Atom Z530(1.6GHz)とSpartan-6を搭載するキャリアボードにFPGAメザニンカードを介してMini Camera Link対応カメラを接続できる画像処理機器向け評価プラットフォーム。もう1つは、FPGAと組み合わせるのに便利な、名刺サイズよりも小さいCoreExpress規格のAtomプロセッサモジュール(Atom E680 1.6GHz)だ。

 以上、今回のTEDプログラマブル・ソリューションで中心テーマであった「MPUとFPGAの連携」に絡む部分の講演をレポートした。TEDからは今後、実践的な連携ソリューションがどんどん登場してきそうだ。

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