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» 2011年08月11日 12時00分 公開

スマートグリッド:太陽光発電のコストダウンはどこまで可能か (2/2)

[畑陽一郎,@IT MONOist]
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2017年以降は政府の支援が不要に

 BSW-Solarによれば、2013年には家庭用電力料金を下回り*3)、2014年には海上設置型の風力発電を規模においても上回る(図2)。2017年には財政上の支援がなくても、他の動力源に対して優位に発電所を建設して経営できるようになるという。ドイツの経営戦略コンサルティング企業であるRoland Bergerと、経済研究やコンサルティングに注力するスイス企業Prognosの協力によって、コストを算出した。

*3)消費者ポータルのVerivoxによれば、ドイツの平均的な家庭の年間消費電力量は4000kWhである。電気料金は24.68ユーロセント/kWh(約27円/kWh)だ。太陽光発電に対する固定価格買い取り制度の買い取り価格は、28.74ユーロセント/kWh。買い取り価格は今後最大年率24%の割合で引き下げられる。


ALT 図2 太陽光発電と家庭用電力の料金の推移 太陽光の発電コスト(青線)と家庭用電力料金(赤線)を比較した。縦軸は価格(ユーロセント/kWh)。2000年時点は、太陽光発電が70ユーロセント/kWh以上だったが、ほぼ直線状に発電コストが下がり、2012年には約27ユーロセント/kWhとなって、家庭用電力料金と一致し、その後、2020年に至ると家庭用電力料金の半額まで下がっていく。出典:BSW-Solar

 ドイツの教訓から学べることは、太陽光発電システムにおいても、規模の経済がきちんと働くことだ。さらにFIT制度の設計が重要であることも分かる。買い取り価格が高すぎても低すぎても、市場の形成に悪影響を及ぼす。太陽光発電システムに対する投資を促しながら、過剰な投資が集まらないように制度を設計しなければならない。

 グリッドパリティ以後は太陽光発電システムの導入量が市場原理だけに従って伸びていく。これは世界的な流れとなり、今後数年間で太陽光発電システム市場の勝者が明らかになっていくだろう。


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