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» 2011年09月26日 12時45分 公開

スマートグリッド:個人のPCから照明を個別にオンオフ、節電を快適にするには (2/2)

[畑陽一郎,@IT MONOist]
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カスタマイズが容易なソフトウェアが役立つ

 節電や省エネ効果を狙い、さまざまな消費電力見える化ソフトウェアが市販されている。共通する課題は表示画面や機能をカスタマイズしにくいことだ。社員から提案があった節電手法を試みて、その都度ソフトウェアに改善を加えていくといった使い方には適していない。節電の運用が硬直化してしまい、節電しようという気持ちが削がれてしまう。

 日本ナショナルインスツルメンツは、自社フロアの見える化ソフトウェアと制御ソフトウェアを約1日で組み上げた*1)。カスタマイズも容易だという。

*1)仕様の検討とクランプ電流センサーをオフィスの配電盤に取り付ける工事の期間を除く。

 開発期間を短くできた理由として、組み込みシステムの開発ツールである「LabVIEW」を使ったことが大きいという。

 LabVIEWはもともとPCベースの計測器用の開発ツールだったが、現在では計測よりも機器制御や組み込み機器用として広く使われている。テキストベースのC言語などは使わず、グラフィカル開発手法を採る。フローチャートに似た「図」に関数ブロックを置くだけでソフトウェアを作成でき、その後、デバッグ、テスト、運用にそのまま進んでいけるため、ソフトウェアの開発期間を短くできるという。

 組み込み機器側には同社のリアルタイムコトントローラー「NI CompactRIO」を用いた。無人で制御・監視を実行できるからだ。同製品はPCベースのシステムであるため、PCが備える各種インタフェースに接続しやすい。USB接続やWi-Fi接続などに対応するための新たに開発は必要ない。

自社プロジェクトの改良版を製品化

 同社は社内の節電プロジェクトが成功したことを受けて、社内向けシステムを改善した「オフィス・ビル向け電力監視制御スタータキット」(スタータキット)を製品化した(図2)。

ALT 図2 電力監視制御スタータキットのシステム構成 クランプ電流センサーを取り付けた分電盤から測定機器に電力データを吸い上げ、社内LAN経由で見える化が実現できる。ASPサービス(クラウドサービス)とスマートフォンを組み合わせた見える化もたやすい。ASPサービスにデータが蓄積されるため、節電プロジェクトに関する評価・分析を進めることもできる。「開発版」ではアプリケーション・ソフトウェア自体をカスタマイズでき、Webブラウザに表示する画面構成やどのような測定データを表示するのかを決めることができる。

 スタータキットは2つの製品に分かれる。低価格で電力監視用に特化した「低価格お試し版」と、電力監視制御が可能で、アプリケーションソフトウェアをカスタマイズするための開発ソフトウェアを含む「開発版」だ。

 低価格お試し版の価格は、4万7000円から。クランプ電流センサーと電力監視用サンプルプログラム(EXE形式)、ASPサービス(電気回路1回路分、月額1万円)*2)を含む。データ収集にはPCとUSB接続が可能な「USB-6009」を用いる。他にPCとイーサネットで接続する製品とWi-Fiで接続する製品がある。

*2)ASPサービス費用は回路数が増えるに従って1500円(50回路)まで単価が下がる。

 開発版は、開発ソフトウェアとして「Developer Suite Core Enterprise」と「NI Developer Suite Real-Time/FPGA実装オプション」を含む。開発用ハードウェアとして機器接続用スロットを4つ備えた「NI cRIO-9075」などが付属する。価格は123万100円から。

 NI cRIO-9075には各種センサーを取り付けられるため、さまざまなインフラ情報を監視、制御可能だ。消費電力の管理、制御を超えた使い方ができるという。

 なお、分電盤が10面(80回路)ある場合、NI cRIO-9075を10台含んだ構成を採る。価格は329万4100円(開発版、数量割引適用後)。


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