　日本モレックスは2011年12月、防塵/防水に関する性能を示すIEC（国際電気基準会議））の保護等級でIP67を達成した2.5mmピッチの電線対電線用コネクタ「Mizu-P25」を発表した（図1）。「IP67に対応するコネクタ製品としては最も小型」（同社）であることを特徴としている。主に、自動車のドアミラーやランプなどのハーネスの結線など、小型であることと防水などの耐環境性能が求められる用途に向ける。既に量産を開始している。価格は要問い合わせ。

図1　「東京モーターショー」で展示されている「Mizu-P25」　上の3つが低電圧タイプで、下の3つが高電圧タイプである。

　Mizu-P25は、IECの保護等級でIP67を達成しているので、粉塵が内部に侵入しない防塵性能と、水深1mに30分沈めても内部に浸水しない防水性能を備えている。また、非防水コネクタと同様に、圧着した端子をハウジング側に挿入してから、キャップを押し込んでロックするだけで防水性を確保できる。このため、電線とハウジングを封止するシールゴムを端子に圧着しなければならない一般的な防水コネクタよりも組み立てが容易である。

　最大電圧が125Vの低電圧タイプと最大電圧が250Vの高電圧タイプを用意した。それぞれ2/3/4個の極数を持つ品種をそろえる。

　日本モレックスは1987年に、Mizu-P25と同等サイズで、防滴タイプの2.5mmピッチ電線対電線用コネクタを発売した。このコネクタは、ドアミラーにハーネスを通すのに用いる直径10mmのスペースにそのまま挿入できるほどに小型であるとともに、雨などが進入した場合にも対応可能な防適性能を備えている。これらの機能により、国内大手をはじめさまざまな自動車メーカーに広く採用されるようになり、量産規模は既に60万ペア/月に達している。Mizu-P25は、この防滴コネクタと同程度の小型サイズで、防滴を上回る防水性能を求める顧客向けに開発された。

　なお、日本モレックスは、「第42回東京モーターショー2011」（一般公開日12月3～11日、東京ビッグサイト）において、Mizu-P25をはじめ車載コネクタ製品を展示している。