南相馬市に国内最大級のメガソーラー、東芝など3社が取り組むスマートグリッド

2012年4月以降、福島県南相馬市に20MW級のメガソーラーの建設が予定されている。東芝と大成建設、双日が立地や地盤、発電システム、事業性などの調査分析を開始した。

» 2012年01月13日 16時50分 公開
[畑陽一郎,@IT MONOist]
南相馬市に国内最大のメガソーラー、東芝など3社が取り組む 福島県南相馬市

 東芝は2012年1月13日、大成建設、双日と共同で、福島県南相馬市に建設を予定する国内最大級のメガソーラーについて発表した。太陽光発電システムの出力は20MWを予定する。年間推定発電電力量として2万1000MWh(一般家庭6000世帯分に相当)を見込む。

 2011年11月に環境省が公募を開始した「平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務」(委託業務)*1)の受託先として1月13日に選定されたことを受けた発表だ。今後、2012年3月30日までに事業の実施可能性についての調査結果を取りまとめる予定だ。

*1) 公募時の対象業務として以下の内容が提示されていた。「再生可能エネルギーを東日本大震災の被災地に導入するに当たり必要となる、資源量、自然条件及び社会条件に関するデータを整備するための調査、関係者との調整、事業計画の策定等を実施するもの」

 事業の大枠をまず調査する。例えば、南相馬市内にはメガソーラーの建設候補地が複数箇所あるため、1カ所に集約するのか、複数に分けるのかを決める。規模についても20MWを超える可能性がある。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の影響が大きいからだ。「今後決まる買い取り価格が想定よりも低かった場合は、発電規模を拡大するなどの対応を取って、収益性を確保する必要がある」(双日)。

 3社の分担は次の通り。東芝はシステム設計、発電部分の設計、エンジニアリングの調査を担当する。大成建設は全体のとりまとめの他、地盤調査、太陽電池モジュールの架台の基礎調査などを担う。双日はIPP(独立発電事業者)事業のノウハウを生かして収益性などの事業スキームを固める。


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