世界最大級の太陽光発電所、ソーラーフロンティアが150MW分の部材を供給スマートグリッド

ソーラーフロンティアは、米カリフォルニア州に建設中の太陽光発電所(メガソーラー)にCIS薄膜太陽電池を供給する契約を締結した。供給量は150MW。日本企業の海外向け供給量としては最大だという。

» 2012年01月18日 20時00分 公開
[畑陽一郎,@IT MONOist]
世界最大級の太陽光発電所、ソーラーフロンティアが150MW分の部材を供給 宮崎県の国富工場

 ソーラーフロンティアは2012年1月18日、米カリフォルニア州に建設中の太陽光発電所(メガソーラー)にCIS薄膜太陽電池を供給する契約を締結したと発表した(図1)。供給量は150MW。日本企業の海外向け供給量としては最大だという。受注金額は推定で百数十億円弱。

 契約締結に至った理由として、「入札の結果、カリフォルニアの温度条件(高温)において、発電量(kWh)当たりのコストが小さいことが評価されたと考えている」(ソーラーフロンティア)。

 供給する太陽電池モジュールは、2011年7月に年産900MWまで設備を増強した国富工場(宮崎第3工場)で、100%生産する(関連記事)。

図1 ソーラーフロンティアが供給する太陽電池モジュール 977mm×1257mmのCIS薄膜太陽電池モジュールの実物写真。1モジュール当たりの発電量は約155W。出典:ソーラーフロンティア

世界最大級のメガソーラーが完成

 太陽電池の供給先は、米enXco*1)が建設中の建設中のメガソーラー「Catalina Solar Project」(敷地面積約4.5km2)。カリフォルニア州南部のKern郡に位置し、ロサンゼルスから北に200kmほどの距離にある。

*1) enXcoは、フランスEDF Energies Nouvellesの子会社。米国内で15以上のメガソーラーを開発、建設、運営中である。

 発電所が完成すると、CIS系太陽電池を用いたものとしては世界最大、他の方式の太陽電池を用いたものとしても世界最大級になるという*2)

*2) enXcoが2011年6月に発表した計画では、Catalina Solar Projectの規模は130MWである。ソーラーフロンティアとの契約量が150MWと多い理由は不明。なお、欧州で最大級の太陽光発電所は、ウクライナにあるPerovo Solar Park(関連記事)。北米ではカナダのSarnia Photovoltaic Power Plant(97MW)が最大。

 enXcoは、メガソーラー全体を2期に分けて建設する計画だ。第1段階では、60MW分の設備を2012年末までに完成させる。ソーラーフロンティアは2011年第4四半期中に、26MW分の太陽電池を既に供給している。第2段階は2013年6月までに稼働を開始する予定だ。

 Catalina Solar Projectが、完成すると、約3万5000世帯の年間消費電力を賄うことができるという。発電した電力は米San Diego Gas & Electricが全量購入する。購入契約は25年間だ。


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