品質管理に活用される主な統計的手法「特性要因図」実践! IE:現場視点の品質管理(10)(6/6 ページ)

» 2012年01月31日 12時50分 公開
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(4)特性要因図でデータを取る

 品質に異常が発生したとき、不良率が何%、バラツキのR(Range:範囲)がいくら、とデータを取ることも重要ですが、そのようなデータは結果を表しているだけで、原因の対策は導けません。

 異常が発生したときは、その原因を徹底的に追求し、真の原因がつかめたら、特性要因図に「図5」のように記録を残します。この例は、2012年1月16日に、中間軸の6.4mmの箇所の直径が小さいため、回転不良が発生したことを示しています。このような方法で、アクションに結び付いた真の原因をつかむことができます。この簡単な丸印を付けることこそ、現場に密着した信頼性の高いデータといえます。

図5 図5 特性要因図に記録を残す

(5)特性要因図は、技術の水準を示す

 特性要因図がよく書けているということは、それだけその工程の内容についてよく検討しているということです。言い換えると、技術水準が高いほど特性要因図の内容も充実しているということになります。

(6)特性要因図の活用範囲は広い

 (1)〜(5)までは、品質に対する特性要因図の使い方について述べましたが、特性要因図は、原因と結果の関係を合理的に図示したものであるため、どのような場合でも特性要因図を活用できます。例えば、小集団活動で「よいサークル交流を行うには?」というように、単に品質の問題だけでなく、数量/原単位の問題はもちろん、安全/出勤率などのような人の問題にまで広く活用できます。対策は、原因に対して行うものですから、原因と結果の関係が分からなければアクションが取れません。アクションを取るための因果関係は特性要因図を作成してみることでハッキリします。

◇ ◇ ◇

 一般的に原因は、いろいろなものが複雑に絡み合っているものです。従って、特性要因図を作成すると、その原因の記述は複雑になってきます。

 小枝が少なく太線と数本の中枝だけといった、要因が数個しかないものは、まだまだ工程に対する知識や突込みが不十分で、形だけの悪い特性要因図といえます。もっともっと突き詰めて要因を洗い出していく必要があります。

 特性要因図は、単に品質管理の問題だけでなく、どのような問題解決に当たってもすぐに適用でき、具体的な行動(アクション)に結び付けられる積極的な手法といえます。積極的な手法だからこそ、使えば使うほどその威力を増してきます。特性要因図を日常的に使いこなすことこそ、現場の品質管理活動を進める第1歩であるといっても過言ではありません。次回はこちら。

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筆者紹介

MIC綜合事務所 所長
福田 祐二(ふくた ゆうじ)

日立製作所にて、高効率生産ラインの構築やJIT生産システム構築、新製品立ち上げに従事。退職後、MIC綜合事務所を設立。部品加工、装置組み立て、金属材料メーカーなどの経営管理、生産革新、人材育成、JIT生産システムなどのコンサルティング、および日本IE協会、神奈川県産業技術交流協会、県内外の企業において管理者研修講師、技術者研修講師などで活躍中。日本生産管理学会員。



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