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» 2012年02月16日 14時10分 公開

スマートグリッド:日本の太陽電池産業、明らかな成長の影で進む構造変化 (2/3)

[畑陽一郎,@IT MONOist]

成長路線に乗れない輸出を国内市場が支える

 まず市場動向を見てみよう。JPEAは国内生産と輸入を合わせて国内出荷としている。国内出荷と輸出を合わせた数字が総出荷量だ。

 今四半期の国内出荷(40万6328kW)は、1つ前の2011年度第2四半期と比較すると、117%に成長した。直近の約3年間(2009年度第1四半期〜2011年度第3四半期)でも、国内出荷はほぼ一貫して伸びている。大きな例外は東日本大震災を挟んだ2四半期だけだ。2009年4〜6月の国内出荷は8万3260kW、それが10四半期で40万6328kWまで伸びている。著しい成長だ。

図2 2011年暦年の出荷状況 2011年1〜3月と4〜6月は東日本大震災の影響を受けている。問題は、7〜9月と10〜12月の輸出減少だ。赤字は前四半期と比較して減少したもの。単位はkW。出典:JPEA(強調と赤字は本誌)

 一方、輸出は2011年度第1四半期に過去最高の43万8887kWを記録したものの、2四半期連続で減少(図2)。前四半期比90.0%の32万1323kWにとどまった。直近の約3年間では、2010年度第2、第3四半期にも連続して減少しており安定しない。

 輸出が安定しない理由は幾つかある。JPEAは輸出先を「米国」「欧州」「その他」に分けて公表しているため、どの地域に問題があったのかが分かる。2010年の2四半期連続の減少は、主に欧州市場に原因があった。2四半期で、27万7879kWから18万8955kWにまで減少しており、減少後の出荷量は減少前の68%にすぎない。

図3 2011年暦年の輸出状況 今四半期は米国向けと欧州向けが回復したものの、その他の地域が大幅に減少したため、前四半期よりも輸出量が低下した。赤字は前四半期と比較して減少したもの。単位はkW。出典:JPEA(強調と赤字は本誌)

 直近の3四半期では、まず米国が減少傾向に入り、次に米国が回復しないまま欧州が激減、最後にその他の地域が激減したことに原因がある(図3)。今四半期と前四半期を比較すると、米国市場は150%に成長(8万9139kW)しており、これは過去最高の数値だ。欧州市場も115%に成長(18万8707kW)している。しかし、その他の市場が32%に減少(4万3477kW)したことが足を引っ張った形だ。

 次に国内出荷の内訳を見てみよう。図2からは、国内出荷に含まれている海外生産品の流入(輸入)が、国内出荷を伸ばしていることが読み取れる。輸入は対前四半期比で146%にも成長した。輸入の増加傾向は著しく、過去10四半期のうち、2回しか減少していない。今四半期は国内出荷の23.8%を占めるに至った。これは過去最高の比率だ。

 総出荷量は伸びてはいるものの、内容は必ずしも安心できるものではない。輸出が安定せず、輸入が一貫して伸びているからだ。

 次に太陽電池の種類ごとの状況を見てみよう。国内市場では、明らかに質的な変化が起こっている。

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