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» 2012年04月05日 10時30分 公開

次は「サッカー」「ダンス」だ!――「神戸こどもロボットクラブ」で二足歩行プログラミング体験ロボット開発リポート(2/2 ページ)

[三月兎,@IT MONOist]
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歩行動作プログラミング
〜タイムレース

 ポーズの登録とモーションの作成方法を覚えたら、いよいよVariBoを歩かせる。VariBoは足裏が大きいため、重心移動が容易で倒れにくくなっているのが特徴だ。


歩行モーションに必要な6つの基本ポーズ 歩行モーションに必要な6つの基本ポーズ。ポーズ間の動きは自動生成される
サンプルの歩行モーションを間近で見て、ポイントを観察する子どもたち サンプルの歩行モーションを間近で見て、ポイントを観察する子どもたち

 VariBoを歩行させるには、足首のロール軸を寝かして、重心をしっかりと片足に乗せるのがコツ。1)右足ロール軸を倒し、重心を移動してから左足を上げる。2)左足を前に出し、3)重心を中央に戻して、左足を着く。4)左足ロール軸を倒して重心を移動し、右足を上げる。5)右足を前に出し、6)重心を中央に戻して、右足を下ろす。

 重心移動が確実にできていれば、遊脚を上げてもVariBoは姿勢を保持できる。足首ロール軸を傾けて、重心移動ができるようになると、子どもたちのVariBoが次々と歩き出した。

 今回の最終課題は、自律で歩行するVariBoがスタート地点から50cm離れた壁まで歩き、旋回してスタート地点に戻るタイムを競うレースだ。

 壁の間際で旋回するためには、目に搭載したセンサーで壁を発見しなくてはならない。使用しているのは、シャープ製の距離センサー「2Y0A21」だ。このセンサーは、目標物が遠いときにセンサー値が小さく、10cmくらいの距離で最大になる。なお、接近し過ぎてもまた値が小さくなるという特性がある。

 今回は、壁の10cm手前でセンサーが反応するように閾値(しきいち)を決定した。

センサー設定画面 センサー設定画面。中央のウィンドウにセンサーの値が表示される
VariBoのセンサーに手をかざし、PCに表示される値が変化することを確認 VariBoのセンサーに手をかざし、PCに表示される値が変化することを確認。閾値を決定する

 次は、旋回モーションの作成だ。VariBoには腰ロール軸がないため、床の摩擦を使った“すり足”旋回となる。足を前後に広げたポーズから、一気にホームポジションに戻すとロボットの方向が変わる。何度か繰り返して180度ターンさせれば、OKだ。

 こうしてできた歩行、旋回モーションと壁発見を使って、タイムレース用プログラムを作成する。

 VariBoには、高度な機能を実現するためのスクリプトプ言語も搭載してある。この言語はBASICライクな簡易言語で、サーボモータ操作やセンサー読み取りの専用命令があらかじめ用意されている。以下の画像は、タイムレーススクリプトの例だ。プログラムはラベル行とコマンド行によって構成され、基本的に上から下へ順番に実行される。今回は、プログラム内容までは踏み込まず、事前に用意されたプログラムを自分で入力し、自律モーションを作成した。

事前に用意されたタイムレースプログラム 事前に用意されたタイムレースプログラム

 子どもたちは2日間、休憩も取らずにロボットのモーション作成とプログラミングに熱中していた。思い通りに真っすぐ歩かないロボットを調整するために、自分がロボットになったつもりで歩幅やスピードを検討している子もいた。

 その結果、全員が2日目の午後には歩行モーションを作り終え、タイムレースに参加した。優勝したのは最年少の小学3年生だった。出走前には、ロボットのネジが緩んでいないか慎重に確認するなど、日ごろからモノづくりに親しんでいる様子がうかがえた。

壁に向かって歩き、スタートラインまで戻ってくるタイムを競う 壁に向かって歩き、スタートラインまで戻ってくるタイムを競う。真っすぐ進まないロボットに笑いながら声援を送っていた



 体験教室ではプログラミングのみを扱ったが、今後行われるこどもロボット人材講座では、ロボットの組み立てから学習するそうだ。今回、ロボットのプログラミングまでを経験した子どもたちは、口々に「次はサッカーをさせたい!」「ダンスモーションを作りたい!!」と夢を膨らませていた。

ロボット/ロボット開発 コーナー

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