トヨタとテスラの共同開発EVは空力性能を向上、カーナビは8インチパネルを搭載電気自動車

トヨタ自動車とTesla Motors(テスラ)が共同開発した電気自動車「RAV4 EV」は、ベース車の「RAV4」よりも空力性能を向上した。また、ダッシュボード中央には、8インチの静電容量型タッチパネルを備えたカーナビゲーションシステムを搭載している。

» 2012年05月08日 15時42分 公開
[朴尚洙,@IT MONOist]

 トヨタ自動車は2012年5月7日(米国時間)、Tesla Motors(テスラ)と共同開発した電気自動車(EV)「RAV4 EV」を発表した。北米市場で高い販売実績を持つSUV(スポーツ多目的車)の「RAV4」がベースとなっている。2012年夏後半に米国カリフォルニア州で発売する予定である。価格は4万9800米ドル(約398万円)。3年間で約2600台を販売する計画だ。

 RAV4 EVのサイズは全長4575×全幅1816×全高1684mm。重量は約1829kg。ベース車のRAV4から、フロントバンパー、アッパーグリルとローグリル、サイドミラー、リアスポイラー、ボディ下部などを再設計することで空力を向上した。空力性能を示すCd値は、RAV4の0.33に対して0.30となっている。その一方で、RAV4と同等の荷室容積を確保した。

トヨタ自動車の「RAV4 EV」「RAV4 EV」に搭載された 左の写真は「RAV4 EV」の外観。右の写真は、RAV4 EVのインテリアである。ダッシュボード中央に、8インチの静電容量型タッチパネルを備えたカーナビを搭載している。(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 モーターやインバータ、リチウムイオン電池などの電動システムはテスラが設計、製造している。前輪駆動方式で、走行用モーターの最大出力は115kW。走行モードはノーマルモードとスポーツモードから選択できる。ノーマルモードは、0〜60マイル/h(約96km/h)の加速性能が8.6秒、最高速度が約137km/h。スポーツモードは、0〜60マイル/hの加速性能が7.0秒、最高速度は160km/hである。

 リチウムイオン電池の容量は41.2kWh。テスラが設計/製造していることから、ノートPCなどに利用されている18650サイズ(直径18mm×長さ65mm)の円筒型リチウムイオン電池セルを使用しているとみられる。満充電からの走行距離は、「実走行環境で約160km」(プレスリリースより)としている。

 充電器は、既に米国で販売しているプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」でも採用しているLeviton Manufacturingのものを採用した。満充電までの充電時間は、電圧240V/電流40Aの充電モードで約6時間である。

 ダッシュボード中央には、8インチの静電容量型タッチパネルを備えたカーナビゲーションシステム(カーナビ)を搭載している。このカーナビは、デンソーが開発したスマートフォンと連携するテレマティクスシステム「Entune」や、EVの運転状況を知らせるシステムも組み込まれている。この他にも、ヘッドランプのロービームやデイタイムランニングライトにLED照明を採用するなど、ベース車のRAV4にない装備も特徴となっている。

 トヨタ自動車とテスラは2010年5月、EVの開発と製造に関する技術提携を発表している。RAV4 EVは、トヨタ自動車の北米法人Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America(TMEA)とテスラが2年間をかけて共同開発したEVである。生産は、Toyota Motor Manufacturing Canada(TMMC、カナダオンタリオ州ウッドストック)で行う予定だ。

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