電力を監視してCO2を削減しながら生産条件のベストプラクティスを探る――YKK黒部工場工場の電力管理(FEMS)

工場の電力管理は、生産性と切り離しては考えられない。YKKは自社国内工場で電力消費量を抑制しながら生産性を高める取り組みを始める。

» 2012年06月26日 16時20分 公開
[原田美穂,@IT MONOist]

 YKKは自社の製造拠点でエネルギーマネジメントシステムを導入、本稼働させた。2012年6月25日、システムを共同開発した富士通が発表した。

 今回システムを導入したのは、同社ファスナーの製造拠点である黒部工場(富山県黒部市)のファスニング事業金属材料製造部だ。

 工場向けのエネルギー管理システムはFEMS(Factory Energy Management System)と呼ばれる。今回YKKが導入したFEMSは、溶鉱炉などの生産設備について、個別の機械ごとに電力センサーを設置して1分単位で電力使用量を収集するもの。各製造条件との対比・解析を行うことで、最適な状態を特定する仕組みも持つ。最適な生産状況を特定し、運用上の指標とすることで、電力およびCO2排出量の削減が期待できる。

 また、この電力使用状況の情報を、データ分析や品質分析にも流用し、生産性の向上も期待できるとしている。

 YKKでは今後、黒部工場での運用ノウハウを活用した同様のシステムを、他の事業部門や海外拠点に展開する予定だという。

 今回YKKが導入したFEMSは富士通と共同で開発したもの。富士通は今後、今回の実績を生かしたエネルギー管理ソリューションを展開するという。

今回稼働するシステムのイメージ(出典:富士通)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.