超小型EVのデザインコンテスト、入賞賞品は「EVに関する特別な体験」車両デザイン

電気自動車普及協議会(APEV)は、18歳以上の学生チームを対象に、超小型電気自動車(EV)の車両デザインを競う「EV超小型モビリティ デザインコンテスト」を開催する。優秀作品をデザインしたチームには、「EVに関する特別な体験」が与えられる。

» 2013年01月22日 15時23分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「EV超小型モビリティ デザインコンテスト」の主催・後援メンバー

 電気自動車普及協議会(APEV)は、国土交通省が定める超小型モビリティ規格に適合した電気自動車(EV)の車両デザインを競う「EV超小型モビリティ デザインコンテスト」を開催すると発表した。後援は、東京大学大学院情報学環とダッソー・システムズ。

 同コンテストでは、超小型EVの3次元(3D)デザイン案を、国内外の18歳以上の学生チーム(2人以上)から募集する。東京大学、首都大学東京、大阪府立大学、慶応義塾大学、立命館大学、スタンフォード大学、ハワイ大学、アーヘン工科大学、ケンブリッジ大学、オークランド大学、上海同済大学の国内外11大学が参加する予定だが、2013年2月15日まで他大学などからの参加チームも募集している。

「EV超小型モビリティ デザインコンテスト」の主催・後援メンバー 左から、ダッソー・システムズ社長の鍛治屋清二氏、APEV代表幹事の田嶋伸博氏、同会長の福武總一郎氏、東京大学大学院情報学環・学際情報学府准教授の山内祐平氏。「EV超小型モビリティ デザインコンテスト」主催と後援を代表して会見を行った。

2次審査では「CATIA V6」やハードウェアを無償貸与

 1次審査では、実際の使用シーンを含めた車両コンセプト+アイデアスケッチ(手書きもOK)を提出する。締め切りは3月29日で、4月15日に2次審査進出チームが決定する。

 2次審査では、ダッソー・システムズの「CATIA V6」や「CATIA Natural Sketch」を使って車両の3Dデザインを行う。また、同社のSNSツール「3D SwYm」を活用して、主催のAPEVや、他の参加チーム、オブザーバーなどから得た情報を、車両の3Dデザインに役立てることもできる。

 3Dデザインに用いるこれらのツールは無償で貸与される。同社社長の鍛治屋清二氏は、「ツールを貸与する際には、機能限定版ではなく、ツールの全ての機能を利用できるようにする。CATIA V6の、3D CADにとどまらないさまざまな機能を積極的に活用してもらえるとうれしい」と語る。

 3Dデザインに必要となるハードウェアなども、ストラタシス・ジャパン、ベネッセホールディングス、ワコム、デル、日本ヒューレット・パッカード、レノボ・ジャパン、アスプロスといった協賛予定企業から提供される。

 東京大学大学院情報学環は、2次審査で無償貸与されるCATIA V6、CATIA Natural Sketch、3D SwYmといったCADツールやSNSツールを使った教育システムの活用と効用の研究・効果検証を行う。東京大学大学院情報学環・学際情報学府准教授の山内祐平氏は、「学生チームがデザインコンテストで学んだことを明らかにして、ツール活用の効果を検証したい。また、国内外から学生が参加するので、国境を越えたオンライン学習環境を実現したり、学習を支える人的ネットワークを構築したりといった貢献も可能だろう」と説明する。

 審査委員は、建築家の安藤忠雄氏、工業デザイナーの奥山清行氏、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授の河口洋一郎氏、元カースタイリング編集長の藤本彰氏、APEV代表幹事でタジマモーターコーポレーション会長兼社長の田嶋伸博氏などが務める。

 選考では、車両デザインそのもの以外に、社会・街・地域の人々・文化などとの関わりについても重視するとしている。APEVの田嶋氏は、「審査委員には、建築家の安藤氏にも参加していただいている。『超小型EVのデザインコンテストになぜ安藤氏が?』と思われる向きもあるかもしれない。しかし、スマートハウスやスマートシティと超小型EVを組み合わせについて、建築家の視点が必要になると考えた。参加する学生チームには、既存の考え方にとらわれないデザインを目指して欲しい」と強調する。

 2次審査の締め切りは6月28日で、審査結果は7月31日に発表される。9月9日には優秀作品の表彰式を行う予定だ。

 優秀作品をデザインした学生チームには、著名なデザイナーとの交流、ハワイなど海外の環境エネルギー関連展示会への招待、海外のEV関連企業や団体の訪問・交流をはじめとする「EVに関する特別な体験」が提供される。

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