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» 2013年02月25日 10時00分 UPDATE

「ビジネスS&OP」とは何か(3):表計算ソフト頼りから製造業が抜け出すには――先進事例を学ぶ (2/4)

[酒井ひろみ/インフォアジャパン,MONOist]

事例2:ローコストオペレーションを実現するために情報テクノロジーを活用

 コスト圧力が大きく、欠品や過剰在庫が収益に大きく影響する食品メーカーの成功事例を3件、続いて紹介します。

さまざまなシナリオをwhat-if分析し、より良い意思決定でコスト削減を実現 〜 米国加工食品メーカーのケース 〜

事業、サプライチェーンの特徴、ビジネス課題

 B社は、ポテトや豆の加工製品をフードサービスに提供する米国最大手の企業です。7つの工場と12以上の倉庫を結び、複数の州にまたがり製品を提供しています。原料は農産物であるため、コストや質が変わりやすいことが課題です。それでも良質の製品を競争力のある安定した価格で提供していくことが、食品製造業特有の需給オペレーションの難しさであり、B社のビジネス課題でもあります。

業務改善と情報テクノロジーの活用

 基準生産計画(MPS)や資材所要量計画(MRP)などの従来のプランニング手法では、大幅なコスト削減を実現することは不可能だとB社は判断し、有限生産能力や倉庫費用、原材料の利用可能性などの制約条件に対応できる、高度なプランニングシステムを導入することにしました。

 採用したプランニングシステムは、コストモデルに基づく強力な最適化機能を備えていたため、在庫保管コスト/原料コスト/生産コスト/流通コストのトレードオフを比較検討して、実現可能性とコスト効率の両方を満たす供給計画を立案することが可能となりました。

 加えて、在庫レベルを下げながら顧客サービスを維持するという、全ての会社が抱えるサプライチェーン課題に向けても、長期的な視野でのプランニングが可能なシステムであったため、適切な場所に適切な量の在庫配置ができるようになり、在庫とサービスのベストバランスが実現できました。

成果

  • 最適化機能を活用し、トータルオペレーションコストが最小となる供給オペレーションを計画できるようになりました。
  • さまざまな生産シナリオをwhat-if分析し、コストやトレードオフ条件を徹底的に評価することで、より良い意思決定が可能になりました。もし間違った方法を選択していたならば発生したかもしれない数百万ドルもの損失を回避することができました。
  • 原料の収穫のバラつきを埋め合わせて安定供給する、計画的在庫備蓄ができるようになりました。
  • 調達をコモディティ調達から最適コストでの調達に変えることができ、調達コストの低減に貢献しています。

考察〜B社の成功ポイント

 B社は、上級プランニングツールの最適化機能とシミュレーション機能をうまく活用しています。

 自社のサプライチェーンコスト構造をモデル化し、収益性改善につながる意思決定を下しているところが、成功の鍵です。

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