「アウトランダーPHEV」がリコール、不具合箇所は電池ではなくモーター電気自動車

三菱自動車は2013年4月23日、プラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」のリコールを国土交通省に届け出た。不具合の原因は、走行用モーターとその制御システム、発電機である。溶損などの事例が報告されていたリチウムイオン電池の不具合は、現在も原因を調査中であり、今回のリコールとの関連性はない。

» 2013年04月23日 18時08分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「アウトランダーPHEV」の不具合箇所

 三菱自動車は2013年4月23日、プラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」のリコールを国土交通省に届け出た(国土交通省のWebページ)。

 不具合の原因は、走行用モーターとその制御システム、発電機である。溶損などの事例が報告されていたリチウムイオン電池の不具合は、現在も原因を調査中であり、今回のリコールとの関連性はない。



「アウトランダーPHEV」で不具合が発生したFPDUとRMCUの位置 「アウトランダーPHEV」で不具合が発生したFPDUとRMCUの位置(クリックで拡大) 出典:国土交通省

 今回のリコールは3件の不具合が対象となっている。1つ目は、前輪側モーターを制御するフロントパワードライブパワーユニット(FPDU)と後輪側モーターを制御するリアモーターコントロールユニット(RMCU)である。車両起動時に、FPDUとRMCUがモーターの位相を誤認識し、起動後に発進不能となる場合がある。また発進不能状態から、一定以上アクセルペダルを踏み込むと、車両が急に動き出す恐れもある。改善措置としては、FPDUとRMCUのプログラムを対策済みのものに書き換えることになる。この不具合は、2013年1月17日〜3月13日に製造した3839台が対象となっている。

 2つ目と3つ目は、モーターのエアリーク検査システムのプログラムミスによる、検査判定不良品の発電機と前輪側モーターが原因である。このため、発電機と前輪側モーターにオイル漏れが発生し、内部のベアリングが潤滑不良となって破損する可能性がある。最悪の場合、走行中にフェールセーフ状態(発電不可による出力制限で最高車速を時速50kmに制限する)となり、再始動できなくなってしまう。改善措置は、発電機と前輪側モーターの良品への交換となっている。これらの不具合があるのは、先述した3839台のうち発電機が14台、前輪側モーターが4台である。

「アウトランダーPHEV」で不具合が発生した発電機(左)と前輪側モーターの位置,「アウトランダーPHEV」で不具合が発生した発電機(左)と前輪側モーターの位置(クリックで拡大) 出典:国土交通省

 1つ目の制御システムの不具合は3件の発生が確認されている。2つ目と3つ目の発電機と前輪側モーターの不具合発生は確認されていない。これらの不具合による事故も発生していない。

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