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» 2013年05月08日 13時00分 公開

量産現場における良否の判定方法:量産現場における基本的な認識(3)ボイド対策 (2/3)

[河合一男,実装技術/MONOist]

3.事例

(1)プリヒートの変更

 写真3は、プリヒートの変更を示したものである。写真3-1は、プリヒートの長い温度プロファイルと耐熱性の高いフラックスを使用し、上下のヒータ温度は同じである。写真3-2は、プリヒート部のみ短縮し、フラックス効果によってはんだの流動性が改善し、ボイドが削減されている。

写真3 写真3

(2)リフロー炉の違い

 リフロー炉の違いによる差を以下に見る。

(a)遠赤外線+エアリフロー炉

 写真4は、遠赤外線+エアリフロー炉で、写真4-1は耐熱性の高いフラックス、写真4-2は熱反応の速いフラックスである。

写真4 写真4

(b)エアリフロー炉

 写真5は、エアリフロー炉で、写真5-1は耐熱性の高いフラックス、写真5-2は熱反応の速いフラックスである。

写真5 写真5

(c)エアリフロー炉

 写真6-1は、上下同じヒータ温度のもの、写真6-2では下部ヒータは上部ヒータより30℃高く設定している。

写真6 写真6

(d)遠赤外線+エアリフロー炉

 写真7は、遠赤外線+エアリフロー炉のものである。写真7-1は上下同じ温度で、耐熱性の高いフラックスを、写真7-2は下部を30℃高くした耐熱性の高いフラックス、写真7-3は下部を30℃高くした、熱反応が速いフラックスの、それぞれの様子である。

写真7 写真7

(3)ボイド対策実験

 写真8はそれぞれ、ボイド対策実験の結果である。写真8-1は部品を搭載せずにリフローしたもので、小さなボイドが多数発生している。写真8-2は、2回、リフローしたものである。写真8-3は、部品を搭載せずに一度リフローした後にフラックスを塗布し、その後で部品を搭載し、2回目のリフローにかけたものである。写真8-4は、予備はんだを糸はんだで行った後に、フラックスを塗布して部品搭載し、リフローしたものである。溶剤の含まれていない糸はんだで予備はんだをした方法では、ボイドは発生しないことがわかった。

写真8 写真8

 通常のリフローでは、設計や基板材質、部品形状、使用リフロー炉により多少発生状況は異なるが、大きなボイドが多数発生する。特に、基板の縁やスリット近辺にある大きな部品は、下部からの熱風の巻き込みもあって、基板中心部よりフラックスの劣化が激しいため、注意が必要である(写真9)。

写真9 写真9比較的小さくて丸いものはガスによるボイドと推定される

 写真10は、はんだ印刷後の実験であり、そのため一部部品をずらして搭載している。写真11(右)は、はんだ印刷後にインクで着色し、ガラスを被せた状態でのリフローしたもので、フラックスはガラスのサイズまで広がっているが、フィレット中心部の一部は色が薄い。これは、はんだとガラスの密着性が高い部分であり、濃い部分はフラックス残渣である。

 通常は、部品下面にはんだがぬれ、密着するため、フラックスはフィレット外へ押し出されるが、熱の供給状態では部品下やフィレット内部に多く残留する(写真12)。

写真10 写真10
写真11 写真11
写真12 写真12

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