JTフォーマットの開発の狙いと仕様ISO国際規格に承認されたJTフォーマットとは(1)(2/4 ページ)

» 2013年05月09日 09時00分 公開

JTテクノロジーの開発目的

 JTテクノロジーの開発目的には以下の3点があります。

(1)3D情報の可視化、コラボレーション、全社的なデータ共有における活用

可視化:JTデータはビジュアライゼーション・アプリケーションとの適合に優れています。JT Open Toolkitでは、各ビジュアライゼーション・アプリケーション独自の仕組みに適合するデータの構成とレンダリングを可能とする、JT内部の情報へのAPIアクセスを提供しています。

コラボレーション:JT Open ToolkitとJTデータは、コラボレーション・アプリケーションとの適合にも優れています。コラボレーションに多く利用される機能として、製品構成データとの連携、コンテキスト内設計、デザインレビューなどがありますが、これらすべての機能がJTの持つデータ表現とJT Open Toolkitの使用によってサポートされます。

データ共有:JT Open ToolkitとJTデータは、マルチCAD環境との適合でも威力を発揮します。コンテキスト内設計において軽量なデータ表示を可能にするだけでなく、設計作業時に実モデルから更に精密な情報が必要になった場合にもそれに対応することができます。

(2) CAM、CAE、設計、データ管理、標準部品における活用

CAM:JTデータ・モデルは、製造プロセスの計画、ワークセルのシミュレーション、ツールパスの作成に最適です。JT Open Toolkitを使用すれば、製造プロセス、プロセス統合型の開発に関連するすべての情報を集約することができます。

CAE:JTテクノロジーは、解析用のサーフェス・モデルや詳細な解析に適した精密なモデルの作成を可能にします。

データ管理:JT Open Toolkitの利用により、JTデータ・ファイルをアプリケーションから高度に利用できるようになります。ほとんどのPDMツールやデータ管理ツールはファイル・レベルでの管理を行っていますが、JT Open Toolkitを使用することで、PDMツールやデジタル・マニュファクチャリング・ツールは独自の方法で製品構成の確認やデータ作成を行うことができます。

標準部品:JTによる部品データの表現、可視化、検索機能はJT Open Toolkitでサポートされているため、部品サプライヤにとってJTは理想的なツールとなります。さらに、さまざまなモデルを単一のフォーマットに統一して表示でき、エンドユーザーに詳細なデータ表現で提供することもできます。

(3) Web・アプリケーション、クリエイティブ・メディア、手引書型アプリケーションにおける活用

Web・アプリケーション:JTデータ表現をWeb表示用に軽量な形に設定できるほか、製品構成のより精密な表現や、ユーザーが選択した形でリアルタイムの断面を設定ができます。

クリエイティブ・メディア:JTは従来とは異なるプレゼンテーションやショーにも最適です。アニメーション、複雑なテクスチャー、照明モデルなどの作成はもとより、製品の機能をより創造力豊かに表現するデモンストレーションを行えます。

手引書型アプリケーション:オンサイトの保守アプリケーションや製造指示アプリケーションなどから、JTデータを利用することができます。データが軽量であるため、アプリケーション機能を向上させることが可能であり、リモート・トレーニングや緊急時のオンデマンド・ヘルプなどにも使用することができます。

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