便利なマイコンキットkonashiのホルダーを小ロット生産しちゃおう!(前編)面談不要の加工・成形屋さん(8)

ロボティクス企業 ユカイ工学による「ユカイなモノづくり」! 今回は、フィジカルコンピューティングツール「konashi」を楽しく使うためのホルダーを小ロット生産するに当たり、プロトラブズを使ってコストダウンを検討してみた。過去の“見積もりしまくった”履歴がまとめて見られる、プロトラブズの新サービス「My Account」も紹介する。

» 2013年07月22日 10時00分 公開
[PR/MONOist]
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ユカイ工学 デザインディレクター 小島拓也氏

 ロボティクスベンチャー ユカイ工学が開発・販売するフィジカルコンピューティングツール「konashi」。前回は、konashiを楽しく使うためのケースやホルダーなど5種類(A〜E)のデザイン案をユカイ工学のデザインディレクター 小島拓也氏が考えてみた。

 そこからさらに絞り込んだ設計案「D」の3次元モデルをプロトラブズの見積もりサービス「ProtoQuote」に送付。金型を製作して樹脂パーツを成形すると、おおよそいくらぐらいになるのか検討した。

D案のホルダーにkonashiを組んだ状態(3次元モデル)

 今回は、そこから1ステップ進み、小ロット生産を考慮した検討に移っていく。

ユーザーに朗報! プロトラブズの新機能

 小ロット生産検討に入る、その前に……、今回小島氏にも利用してもらったプロトラブズの便利な新サービスを紹介する。利用初回に登録したユーザー情報と利用履歴を1カ所にまとめてくれる「My Account」(ユーザー専用ページ)だ。My Accountは、プロトラブズを初めて使うときに登録した電子メールアドレスで作成(アクティベート)できる。マイページが作られる以前の情報も、しっかり自動で集約される。

 小島氏のこれまでの見積もりも、以下のようにちゃんとまとまっていた!

 

小島氏の見積もり履歴の一部(実際の物)

 以前までは過去の見積もりをメール履歴などから探すしかなかったので、これは楽だ。これで安心して見積もりしまくれる。履歴は、「処理中」「有効な見積もり」「期限切れ」の3つに分類される。同じパーツの再見積り要求は簡単にできる。「追加製作しよう」と思ったときも便利だ。

 ちなみにMONOist記者KのMy Accountを確認すると、「面談不要の加工・成形屋さん」(1)(2)、「MONOistの記者が、プロトラブズで見積もりしまくってみた」で取り組んだiPadスタンドの見積もりや、同シリーズ(4)「チャリティーグッズの筐体設計をしてみようぜぃ」の記事制作のための見積もりなどがまとめられていた。

記者Kの見積もりしまくった履歴の一部

 こうして振り返ると、随分と見積もりしまくったものだ。こんな状況でも、プロトラブズから叱られることはない(笑)。

設計変更で、コストをさらに抑える

前回設計したD案のkonashiホルダー(3次元モデル)

 さて前回のkonashiホルダーD案の見積もり結果は、サンプルパーツをPP(ナチュラル色)で25個作り、金型費用を含めて、1セット分の合計が34万700円となった。今回は、さらにコストダウンできないか検討し、適切な量産数を決めていく。

 取りあえず、部品外形はこれ以上小さくするのは厳しそう。ただし部品構成を工夫する余地はまだありそうだ。前回の案では「2パーツ×2セット」で1製品を構成していたが、「1パーツ×2セット」にしてみたらどうか。金型が2つから1つになれば、かなりのコスト削減効果が期待できるだろう。

 そこで、もともと上下1つずつの部品だったのを、2つの部品間にペラペラな橋を掛けて1部品にすることにした。それが、以下の「D案・改」だ。

「D案・改」の3次元モデル

 

 D案・改は、橋の部分を折り曲げてkonashiの端を挟み込む構造となっている。両端で2つ使うようにした。

 ただ、この橋の厚みが適切かどうか……、やはり実物を作って検証してみたい。いきなり金型製作しても、もし設計が失敗だったら、コスト的に大打撃だ。そこで、小島氏はプロトラブズの切削加工サービス「Firstcut」に依頼。まずは見積もりを取ってみた。

 D案・改を見積もりしてみた結果は、以下だ。切削加工に際する問題は、特になかった。

D案・改の見積もり結果

試作品を使ってみよう

部品が届いた!
早速、組み立ててみよう……「むむ?」

 発注後に届いた部品を実際に使ってみたのが、こちらだ。

D案・改をkonashiに組んだ

 D案・改は、機能的に大きな問題はなかった。ただし、橋の部分の強度や、上下のかみ合わせ具合については、少し修正が必要そうだ。こちらは今後、金型を製作するまでに設計を直す。

 このように、ぱっと思い付いた設計案で、すぐに見積もり依頼を出し、すぐにコストや加工性、機能などの確認が素早くできるのもプロトラブズの利点だ。

 次回の本シリーズの記事では、今回の試作プロセスで洗い出した機能・形状的な課題を解消をしつつ、ホルダーをさらに安価にできないかを検討していく。また射出成形プロセスにおける単価と小ロット生産個数との関係を計算し、konashiホルダーをビジネスとして成り立たせるために必要な単価となる個数を決定して、その内容を公開する。


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アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2013年8月21日

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