JSOL、設計段階で生産技術の問題を解析できる「Morfeo」を販売開始CAE新製品発表

JSOLは設計段階から生産技術系の解析ができる「Morfeo(モルフェオ)」を販売開始。溶接や切削加工にまつわる応力解析、亀裂進展予測などができる。

» 2013年07月24日 19時00分 公開
[小林由美,MONOist]

 ITベンダーのJSOLは2013年7月24日、生産技術系シミュレーションソフトウェア「Morfeo(モルフェオ)」を販売開始した。開発元はベルギーのソフトウェアベンダーGeonX社で、Morfeoは「Manufacturing ORiented Finite Element tOol」の頭文字だという。溶接関連を中心とした生産技術系シミュレーションができる。

 インタフェースにはGeonXの製造プロセス解析向け統合プラットフォーム「VIRFAC(VIRtual FACtory)」を採用。直感的なGUIを使って、CADモデルをベースに境界条件を設定でき、メッシュの粗密も簡単にコントロール可能だという。

 設計段階から生産技術関連の問題を検討することで、後工程における負荷やコストの削減が期待できるという。また生産側が発注側(設計側)に対し、見積もり額の根拠を分かりやすく示すことも可能となる。

 Morfeoの主な機能は下記の4つだ。

  • 溶融溶接解析
  • 摩擦攪拌(かくはん)接合(FSW)解析
  • 切削加工時の応力解放と変形解析
  • 亀裂進展予測
Morfeoの4機能

 溶接は複雑な物理現象が絡み合う、いわばマルチフィジクスな現象。これまでは複数の物理モデルを一度に解くことが困難だった。Morfeoは熱粘弾塑性を1つのプログラムで扱えるため、より精確かつ高速、安定的に解析結果を得られるという。

摩擦攪拌スポット接合解析事例(GeonXTechnologies)
航空関係の部品解析の事例(GeonXTechnologies)

 FSWは従来の溶接手法のように母材を溶かさず、母材に圧力を加えることで起こる塑性流動を利用し固体のまま接合させる。スポット溶接やライン溶接の代替手法だ。汎用ツールでも解析可能だったが、FSWに特化した機能により高い精度で計算できるという。

 切削加工時の応力解放を見込んだ変形予測もできる。鍛造、焼きなまし、切削経路や順序など、加工前の工程で生じる応力の状態を考慮して計算する。

 亀裂進展予測については「X-FEM」という手法を使う。メッシュラインに沿って亀裂が進展する現象のため、通常のFEMでは数値計算上の事情により自然な亀裂進展の計算ができない。X-FEMを用いれば、メッシュラインにとらわれず、自然な亀裂進展の向きに合わせ、メッシュを再分割しながら計算できるという。

 Morfeoは並列計算に対応しており、大規模な構造物も解析対象にできる。

JSOLが販売する生産技術系ソフトウェアの全体概要:新たにMorfeoが加わった

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