もっとお気軽に自分フィギュア化! 3Dプリンタ用3Dモデルを作ろうあんなところまで再現は無理だが(1/2 ページ)

3次元キャプチャデータを簡単に作れる「3Dフォトブース」のノウハウをオートデスクの日本法人が2013年11月頃、公開予定だという。3Dフォトブースは、同社ユーザーイベントや、Maker Faire Tokyoで体験できる。この記事では、3Dプリンタで造形可能なデータの作り方も合わせて紹介する。面倒くさがりでも大丈夫。

» 2013年09月11日 00時00分 公開
[小林由美,MONOist]

 かつて、ねとらぼの宮本真希記者がハイエンド3Dプリンタでフィギュア化された記事をご存じの方も多いだろう。記者の特権(?)を利用したプロの最先端技術を余すところなく無駄遣いした企画だったが……、実は、もっとリーズナブルに“自分フィギュア化”ができる方法がある。最近メディアのニュースなどで話題になる、3Dプリンタのスキャン&出力サービスだが、それが個人でも“お気軽な感じ”で構築できるようになる。

 オートデスク日本法人の有志が、3Dスキャンを簡単に行える3Dフォトブース作りにチャレンジした。3Dフォトブースは12台のiPod touchのカメラで撮影することで被写体の3Dスキャンを行えるようにしたもの。そこで撮影された12枚の写真がクラウドサービスを経由して処理され、3次元データを生成してメールで届ける仕組みを構築した(以下の図)。キャプチャ画像合成の仕組みについては、同社の無償ツール「Autodesk 123D Catch」(以下、123D Catch)、プロツール「Autodesk ReCap」と同じ技術(Photofly)を使っている。

3Dフォトブースの仕組み
3Dフォトブース

 しかも皆に「ハック」(Hack)してもらえるよう、そのノウハウを2013年11月頃、Web上で公開するという。

図面(開発中のもの)
作るのにかかった金額の明細も公開します:フレームやカーテンまで

 現状は技術的な制約がある。“お気軽”な分、データの精度は“それなり”で、作成できるのも上半身の前面のみ。とはいえ、「3Dスキャンして、3Dプリンタで造形可能な3次元データを作る」という活動のハードルは著しく下がる。「もちろん、今後は後ろ側や全身が作れるようにしたい」と同社。

 3Dフォトブースは、同社が2013年9月13日に開催するプライベートイベント「Autodesk University Japan 2013」と、2013年11月3〜4日に開催する「Maker Faire Tokyo 2013」のオートデスクブースで披露する。反響次第で、お披露目の場は増える可能性はあるそうだ。「自分たちの仕事と趣味をミックスした楽しい活動がしたい」「皆に3Dデータを体験してもらいたい」ということで、チャレンジしたとのこと。

 この3Dフォトブース、お祭りや文化祭のイベントでやってみたら盛り上がりそうだ。

元祖、アメリカの3Dフォトブース

 オートデスクの日本法人メンバーが3Dフォトブースを作るきっかけとなったのは、アメリカ本社が既に作っていた3Dフォトブースだった。こちらはなんと、一眼レフが36台。より高精細なデータが作成できるそうだ。

アメリカの3Dフォトブース

3Dフォトブースを体験してきた

 MONOistは、3Dフォトブースをいち早く体験する機会を得た。今回は、アイティメディアの新卒社員 與座ひかる(営業部所属)に体験してもらった。

ブースに座る
内側からブースを見る

 撮影されたい場合は、まず、この中に座る。次に、データを送る電子メールアドレスをオートデスクのスタッフが持っているiPadに表示されたWebサイトに入力する。

 12台のiPod touchのシャッターを切るのは、iPadの役目。450円で買えるiPad用の同時撮影アプリを利用している。

 iPod touchは、iPhoneでも代用可能だという。実はこのiPod12台とiPadの費用が構築コストの大半を占める。なので、家族や友人のiPhoneやiPod touchを借りてくるのも手だ。ただし機種ごとの写真画質の差が処理に影響する場合があるため、機種やソフトウェアのバージョンをなるべくそろえた方がよいそうだ。

 撮影自体は一瞬で終了し、後はデータが電子メールで届くのを待つだけ。処理されて電子メールが届くまでには数分程度掛かる。

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