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» 2013年09月30日 09時30分 公開

製造IT導入事例:腸の健康が世界を救う! ――飛躍への基盤をITに求めた東亜薬品工業の挑戦 (2/2)

[三島一孝,MONOist]
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業務標準化と原価管理を核に

 東亜薬品工業では、従来販売管理システムに中小企業向けERP、生産管理システムは手作業での管理、原価管理システムは独自システムを活用していたが、業務の効率化や標準化を目指した結果、これらの機能を統合できるパッケージシステムの導入を模索。さまざまな可能性を検討した結果、製薬企業向けパッケージである東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)の「MCFrame/Pharma」を、システムインテグレーターのインテックを介して導入することを決めたという。

経営管理本部 経営管理部 システム管理課 係長 山科健一氏 経営管理本部 経営管理部 システム管理課 係長 山科健一氏

 インテックは製薬企業への導入事例を豊富に持ち、今回は製薬向けの独自テンプレートをMCFrame/Pharmaと組み合わせて導入した。同社経営管理本部 経営管理部 システム管理課 係長 山科健一氏は「製薬企業向けで豊富な実績を持つことが決め手になった」と話す。

 また、同時にハンディターミナルを用いた業務改善や、シェアウェアを利用し低価格を実現したガントチャートツールによる簡易スケジューラや、帳票ツール「スグレポ」などの導入も行い、業務効率の改善を目指した。「基本的にはパッケージシステムをノンカスタマイズで活用するつもりだったが、結果的には多くの機能を追加することになった。もともと機能追加などが容易な柔軟性のあるシステムで、インテックから有効な提案があったこともうまくいった要因となった」(山科氏)。

新システムの構成 新システムの構成(クリックで拡大)

徹底した業務フロー標準化

 導入プロジェクトは2011年4月に始動。「最初の3カ月は毎週のように各部のリーダーを集めて業務の標準化についての話し合いを行い、要件を固めていった」(永島氏)。医薬品の場合は製造手順まで承認事項となっているため製造工程そのものは可能な限り手を加えず、それ以外の部分の標準化を進めていったという。

 また同時にシステム化に合わせて、ロットナンバーの発番方式なども変更し、全部門で共通ルール化できるように進めた。「システムによる自動採番を利用し、月次の計画生産に適した発番体系にすることで、システム化の効果を高めることができた。現場の変更作業負荷を最小にするために、当初目標とした桁数の追加など断念したこともあるが、結果的に良い妥協点を見出せた」と山科氏は語る。

 いろいろ紆余曲折はありながらも2012年4月には新システムの運用を開始し、無事に移行を完了できたという。

新システムの導入スケジュール 新システムの導入スケジュール(クリックで拡大)

今後は原価管理をさらに高めMESの導入も視野

東亜薬品工業の主力製品である「ビオスリー」 東亜薬品工業の主力製品である「ビオスリー」

 導入効果としてもさまざまな価値が出てきているという。「まず現場の二重入力がなくなったことは目に見える大きな成果。その他棚卸のスピードを早めることができたことや、品質保証関連で試験管理などが行えるようになり運用効率を向上できている」と永島氏は効果を語る。また物流管理や在庫管理なども精度や情報のスピードが大きく向上し、部門間で「どこにどういう在庫がどれだけあるか」を把握できるようになったことで、大きく業務効率の改善につながっているという。

 現状では、生産管理は順調な運用が行われているが「原価管理についてはまだまだの部分もある。さらに深く活用していきたい」と永島氏。さらに「今回は導入していないがMES(製造実行システム)などについても今後の事業規模の成長などに合わせて、導入を検討していく」と話している。

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