SNS上で、ワイワイ製品開発! 販売もサポート――クラウドソーシングサービスWemakeとは日本発のクラウドソーシングサービス

製品開発のクラウドソーシングプラットフォーム「Wemake(ウィーメイク)」が正式リリースされた。製品開発から販売まで、プロのサポートも受けられる。

» 2013年11月14日 12時00分 公開
[小林由美,MONOist]

 A(エイス)は2013年11月13日、クラウドソーシングサービス「Wemake(ウィーメイク)」を正式リリースした。

 Wemakeは、SNSを通じて、不特定多数の個人や企業とがつながって製品開発を進める、いわゆる「クラウドソーシング」を支援するオンラインプラットフォームだ。「独力では商品化できないアイデアを、ユーザー同士が協力することによってワンストップで世の中に送り出せるようにすること」(同社)を目指すという。製品開発から販売の過程では、Wemakeのパートナー企業のプロたちがサポートする。

Wemakeの概要(WemakeのWebサイトより)

 同サービスで進められるプロジェクトは、以下の3段階に分かれている。

  • Thinking stage:アイデアや企画
  • Making stage:製品開発
  • Market stage:販売

 まずThinking stageでは、あるユーザーがアイデアを投稿すると、それを見た他のユーザーたちが30日以内に評価する。評価基準は「新規性・有用性・実現性」となる。ここで、一定の得票数が得られれば、Wemakeスタッフにより製品化に向けた慎重な審査を実施。その審査を通過したアイデアは、次の「Making stage」へ進める。審査に落ちてしまっても、スタッフからユーザーに評価レポートが送られ、次の投稿の参考にすることが可能だ。

 次のMaking stageでは、いよいよ具体的な製品開発を進めていく。「市場調査」「デザイン・設計」「ブランディング」の順となる。それぞれのユーザーが持つ特技や技術を生かし、その開発に携わっていく。デザイン案やキャッチコピー案は、投票を募ることができる。設計が固まってきたら、Wemakeのスタッフが「生産、流通、販売」に必要な作業を進めてくれる。量産準備が整えば、予約購入ページで製品が公開される。

 実際に製品を売っていくMarket stageでは、予約数に応じてWemakeのスタッフが生産台数を決定する。なお、製品の予約特典としては、割引や特別サービスなどもある。以後、店舗への出荷は、Wemakeのスタッフとパートナー企業とが協力して行う。製品は、Wemakeショップや全国の小売店で販売される。

 プロジェクトに参画したユーザーには、プロジェクトのユーザー貢献度「Make Point」に応じて、収益が分配される。

 なお、上記のアイデアの審査・開発・試作・生産に無償協力するパートナーとして、3Dプリント出力サービス、デザイン・設計のコンサルティングなどを請け負うジェイ・エム・シーなど10社と現在提携しているとのことだ。またサポートメンバーとしては、プロダクトデザイナーであるCaro Designの山口英文氏、“発明主婦”の松下夕夏さんがいる。商品の開発・生産先となるパートナー企業の募集や提携は順次進めていく予定だという。

 同年11月13日現在、事前登録者数は1200人以上ということだ。オープン1年後までに、月間1500件の新規アイデア投稿および月間3件の商品化体制実現、累計1万件のアイデア投稿および累計15個の商品化実績の実現を目指すとのことだ。

 この事業は、経済産業省による新事業支援プロジェクト「Jump Start NIPPON -新事業創出のための目利き・支援人材育成等事業-」で採択されたことで、進められた。

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