エンジニアの労働環境は大きな転換期に突入? 特定派遣事業者が積極的な採用を継続分野別 転職市場状況

2013年11月時点の電気・電子分野、機械メカトロ分野の転職市場状況を紹介。

» 2013年11月19日 10時00分 公開
[MONOist]
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本記事は人材紹介会社「メイテックネクスト」河辺真典氏からの寄稿です。



電気・電子分野の状況と転職のポイント

 電気・電子系の求人は、引き続き活発な状況です。自動車業界の採用が最も活発であり、電気自動車化に向けて、半導体業界を含めた異業界の電気系エンジニアも採用され、既に多数ご活躍されていらっしゃる方がいらっしゃいます。

 具体的には完成車メーカーから、システムサプライヤー、部品メーカーまで多くの企業が採用を継続しています。他業界においては高度医療推進を背景とした医療機器メーカーや、スマートフォン市場の急激な拡大に連動して一部デバイスメーカーも積極的に中途採用をされています。

 一方で特定労働者派遣事業の企業も積極的な採用を継続しています。メーカーの開発案件増、人員削減に伴いニーズが高まっているとともに、開発設計業務を派遣エンジニアに任せるメーカーの増加に伴い、上流工程から携わる機会が増えていることも大きな魅力です。多数のメーカーが人員削減や拠点削減を推進している現状を考慮すると、安定した転職先と考えることもできます。この点からエンジニアの労働環境は大きな転換期に突入しているといえます。

機械メカトロ分野の状況と転職のポイント

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 機械分野では、幅広い業界から採用ニーズが発生しています。設計・開発職として製品分野においては「輸送機器(自動車、建機など)」「医療機器」「モーター」「空調機器(家庭用、産業用)」「オフィス機器」「製造装置(工作機械、半導体製造など)」などで採用意欲が高い状況となっています。

 その中でも自動車業界が特に活況です。完成車両メーカーはもちろんのこと、自動車サプライヤーからの求人も非常に多く、1次サプライヤーをはじめ2次サプライヤーや自動車関連企業まで求人が発生しており、求人の裾野の広がりを感じています。

 他業界では大型機械、ターボ機器、コンプレッサ、プレス機の求人も活発であり、複数名採用している企業が多く出てきています。

 また、業界共通で生産技術職の採用意欲が高く、設備設計、工程設計、工程改善、樹脂加工(金型関連、射出・押出し成形など)、金属加工、熱処理、生産設備保全など各職種と技術分野で募集があります。鍛造や鋳造などの生産技術者へのニーズも活発です。

 普及し始めた3Dプリンターについても外資メーカーでメンバークラスとマネージャー案件含めて、アプリケーションとサービスエンジニア求人が複数の企業で求人が出ています。

 この下期も自動車業界の設計および生産技術を中心に、大型機械含めて機械系求人ニーズは堅調に推移していくもののと見込んでいます。

プロフィール

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河辺 真典(かわべ まさのり)

株式会社メイテックネクスト コンサルタント 統括マネージャー。

元生産技術のエンジニアとして5年勤務し、前職リクルートエージェントでエンジニアの転職紹介を8年経験した後、メイテックネクストでエンジニアの皆さまのさらなる転身のためにサポートしております。

エンジニアの皆さまの今までのご経験とご希望、それに時間軸を加えた3軸で、皆さまの転職を分析し解きほどいていきますと、今まで混沌としていた転職も、おのずと方向が見えてきます。

面談ブースで皆さまとお話しさせていただくことによって、そういったお話しを見い出せたらなと思い、日々仕事をしています。


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