スタンレー電気が次世代ランプを披露、「SIM-CEL」のレーザー前照灯を搭載東京モーターショー2013

スタンレー電気は、「第43回東京モーターショー2013」において、ヘッドランプ/リヤランプの次世代技術を示す「スタンレー・ライティング・ラボ」を展示した。シムドライブが開発した電気自動車「SIM-CEL」に搭載されている「レーザー前照灯」をはじめ、同社の最新技術が詰め込まれている。

» 2013年11月27日 08時00分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「スタンレー・ライティング・ラボ」のデモの様子

 スタンレー電気は、「第43回東京モーターショー2013」(2013年11月20日〜12月1日、東京ビッグサイト)において、ヘッドランプ/リヤランプの次世代技術を示す「スタンレー・ライティング・ラボ」を展示した。

 スタンレー・ライティング・ラボでは、ヘッドランプとリヤランプのモックアップモデルが、背景ムービーに合わせて動作するデモンストレーションを披露した。ヘッドランプには、光源としてレーザーとLEDを組み合わせた「レーザー前照灯」(関連記事:スタンレー電気がレーザー光源を用いたヘッドランプを開発、「SIM-CEL」に搭載)や、ハイビームの状態でも対向車がまぶしくならないように配光を制御する「ADB(Adaptive Driving Beam)」などが搭載されている。また、各ランプは、マルチファンクションディスプレイや、車体のボリューム感を表現するキャラクターライン、車体の最外側部に当たるフェンダーアーチ部などさまざまな部分が発光するようになっている。

「スタンレー・ライティング・ラボ」のデモの様子 「スタンレー・ライティング・ラボ」のデモの様子。左側にあるのがヘッドランプ、右側にあるのがリヤランプだ。中央上側にあるディスプレイには、周辺環境を示す背景ムービーの他、「レーザー前照灯」の詳細なども表示される(クリックで拡大)

 デモで確認できる点灯モードは4つある。キーレスエントリーを使って車両位置を確認する際の「アンサーバックモード」、市街地走行する「シティモード」、高速道路を走行する「ハイウェイモード」、濃霧発生時の「フォグモード」だ。

 アンサーバックモードでは、キーレスエントリーによる開錠操作に対応して、上側にスポットランプを照射し駐車位置を知らせる。シティモードでは、キャラクターラインを発光させて車両のサイズを分かりやすく示しながら走行したり、フェンダーアーチ部がターンランプとして発光させて二輪車や自転車にターン方向を明示したりする。

 一方、ハイウェイモードでは、キャラクターラインを太く、くっきりと発光させて遠距離からも視認しやすくする。路線変更する際には、変更方向に光が流れるように発光し、後方車両などに分かりやすく示す。フォグモードでは、霧の中でも周囲から視認できるように、キャラクターラインを細いながらも高輝度で光らせる。同社の次世代ヘッドランプ/リヤランプは、運転状況や周辺環境に合わせてこれらのモードを自動で選択し発光するインテリジェントな機能を有しているわけだ。

手の動きだけで操作可能なセンターコンソール

 この他、同社が研究開発中の技術を活用したセンターコンソールも展示した。このセンターコンソールは、レーザー光源とMEMSデバイスを使って映像を投影する曲面スクリーンと、距離イメージセンサーにより手の動きを読み取るモーションHMI、エアコンの風量や温度設定の操作に用いる曲面タッチスイッチから構成されている。

 モーションHMIは、左右の手の動きでコマンド選択、手を握る動作で決定、手を開いて振る動作でキャンセルなどの操作を行える。曲面タッチスイッチは、ホンダの新型「フィット」や「オデッセイ」のエアコン操作パネルに採用されているタッチパネル技術をベースに開発したものだ。

スタンレー電気が展示したセンターコンソール スタンレー電気が展示したセンターコンソール。距離イメージセンサーで手の動きを読み取るモーションHMIによって操作できる(クリックで拡大)

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