NECがクラウド型PLM「Obbligato for SaaS」をタイで展開PLMニュース

NECは、PLMクラウドサービス「Obbligato for SaaS」を、タイで発売する。タイ内のデータセンターを使ってサービス提供するという。

» 2013年12月26日 18時00分 公開
[三島一孝,MONOist]

 NECは、クラウド型のPLM(Product Lifecycle Management、製品ライフサイクル管理)サービス「Obbligato for SaaS」を、タイの現地法人「NECタイ」を通じて、タイで販売する。設計変更の現地対応や製品の現地仕様への変更など、製造業において設計機能を現地に持たせる動きが広がる中、初期投資の負担が小さく短期導入ができるクラウドサービスでPLMを提供することで、新たなニーズを掘り起こしていく方針だ。



 「チャイナプラスワン」の動きから、進出企業が増えるタイにおいては、日本で設計開発した製品を現地仕様に変更するだけでなく、現地で新製品の設計開発から行う動きも広がりを見せている(関連記事:チャイナプラスワンだけじゃない! 「タイプラスワン戦略」をご存じですか?)。

 このため、製造業の基幹情報である設計図面、仕様書、部品表などの製品技術情報や関連ドキュメントを効率的に管理するPLMソリューションへのニーズが現地でも高まりつつある。しかし一方で、管理負担などが大きくなる、オンプレミス型でのシステム導入は大企業でなければ、現実的には難しい。

 NECは今回、このニーズのギャップに対応するため、国内で高い実績を持つPLMソフトウェア「Obbligatoシリーズ」で、製品構成(BOM)管理、ドキュメント管理、設計変更情報管理に関する業務機能を標準定義してSaaSで提供する「Obbligato for SaaS」のタイでの販売を決めた。これにより利用者は、個別にカスタマイズすることなく、短期間で安価にSaaS型のPLMクラウドサービスを利用開始できるという。

 価格は、5ユーザー利用の場合、月額7万5000円(日本円換算)から。約2週間という短期間でシステムの利用が可能だ。またクラウドサービスであるため、バージョンアップにも迅速に対応でき、常に最新のシステムを利用できる。

 費用面では、自前でシステムを構築・運用する場合と比べて、10ユーザー利用の場合で、約60%削減することが可能だとしている(初期費用と5年間の運用コストの合計で比較)。さらに、タイ国内のデータセンターからサービスを提供することで、安定性や高い応答速度を確保できるという。

 NECでは、タイに進出する日系製造業を中心に今後5年間で100社に導入することを目指しているという。

 製造業においてASEANなどで新拠点設立や拠点再編が進む中、製造業向けITシステムでも、これらの海外拠点に向けて、クラウド型でのITサービスを提供する動きが加速している。今回のNECの他、東洋ビジネスエンジニアリングもSaaS(Software as a Service)版のERPパッケージ「MCFrame cloud」の提供を発表するなど、クラウド化の動きが広がりを見せている(関連記事:B-EN-G、MCFrameの海外版とクラウド版を提供――海外拠点の早期立ち上げを支援)。



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