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» 2014年03月19日 10時45分 公開

マイクロモノづくり概論【人づくり編】(1):マイクロモノづくり仲間を集める方法 (4/4)

[宇都宮茂/enmono,MONOist]
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設計者やデザイナーの町工場との交流の例

 最後に、設計者やデザイナーと町工場との出会いや交流の例を挙げる。合わせて、enmonoが配信するWebキャスト「MMS」での実際のトーク(動画アーカイブ)も紹介する。

(左)川本尚毅さん、(右)筆者の宇都宮

 デザイナーの川本尚毅さんは英国ロンドンののロイヤル・カレッジ・オブ・アート在学中、「ORISHIKI」という製品を作り、日本で開催されたデザイナー向け展示会「DESIGNTIDE TOKYO 2010」(会期2010年10月30日〜11月3日)に出展していた。その製品を筆者がYouTubeで見て、「これは面白い!」と思って、facebookで川本さんを探して友達リクエスト送ったことで、ひとまず、バーチャルにゆるくつながった。つながった当時は、正直、FB上でもあまり会話も交流もしていなかった。

 展示会で出展したORISHIKIは、樹脂部品と繊維を接着剤で貼り合わせた構成で、川本さんの手作り品だった。樹脂部品は学校にあった3Dプリンタ使い、繊維は自分でカットし、接着剤も手塗りだった。展示会では、バイヤーの評価を得られたものの、「いくらぐらいで仕入れられるのか?」「どのぐらいの数量を供給できるか」といった質問攻めに合い、「手作りなので、コストは分かりません。供給量も分かりません」状態……。それでは、その後のビジネスへはつながらないということを痛感したのだ。

 その後は、製造先を探すことが課題となった。滞在中のロンドンでは、量産体制などについて相談できるメーカーはなかった。川本さんは、中国企業に相談しようとも考えたが、「Made in Japan」というブランディングが必要だと考え、日本企業とのコンタクトを模索しはじめた。

 やがて川本さんの英国滞在のビザが切れ、日本に帰国した際、筆者がFBで発信していたある情報が目に入った。筆者らも一員である「おおたグループネットワーク」が出展していた「おおた工業フェア」だ。試作工場を探すためにそこへ川本さんが来場したとき、筆者と初のオフライン対面となった。川本さんは、念願の日本企業とのコンタクトを果たした。

 このように、バーチャルでゆるくでもつながっておけば、その後、リアルで実りあるつながりへと変わる可能性もある。

ビーサイズの八木啓太さん

八木さんの志に共感した伊藤さんは、目先の損得勘定を抜きにして、可能な範囲で八木さんを手伝うことにした。工場を紹介したり、部品調達を手伝ったりしたのだ。

「マイクロモノづくりはじめよう」(テン・ブックス刊)P.105より抜粋

znug design(ツナグデザイン)のデザイナー 根津孝太さん

自分の夢の協力者の「夢」に協力する。

根津さんは電動バイクをつくりたいという構想を持って、有限会社オートスタッフ末広の中村正樹社長に相談した。すると、その前にうちのトライク(三輪バイク)の制作に協力してよ、と逆に口説かれてしまった。

「マイクロモノづくりはじめよう」(テン・ブックス刊)P.196より抜粋

(次回に続く)


Profile

宇都宮 茂(うつのみや しげる)

1964年生まれ。enmono 技術担当取締役。自動車メーカーのスズキにて生産技術職を18年経験。試作メーカーの松井鉄工所にて生産技術課長職を2年務めた。製造業受発注取引ポータルサイト運営のNCネットワークにて生産技術兼調達担当部長として営業支援に従事。

2009年11月11日、enmono社を起業。現在は、製造業の新事業立上げ支援(モノづくりプロデューサー)を行っている。試作品製造先選定、部品調達支援、特許戦略立案、助成金申請支援、販路開拓支援、プレゼン資料作成支援、各種モノづくりコンサルティング(設備導入、生産性向上のためのIT化やシステム構築、生産財メーカーの営業支援、生産財の販売代理、現場改善、製造原価、広告代理、マーケティング、市場調査、生産技術領域全般)など多岐にわたる。

Twitterアカウント:@ucchan

記事で紹介した企業も登場:MMS放送アーカイブ

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『マイクロモノづくりはじめよう〜「やりたい! 」をビジネスにする産業論〜』(テン・ブックス)

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