職務経歴書の適切な枚数は? 専門用語の使用は問題ない?製造業エンジニアのための職務経歴書の書き方講座(2)

職務経歴書を書くとき、何枚くらいにまとめるのが適切なのだろうか。製造業エンジニアはベテランになるほど経験豊富。職務経歴書も長くなりがちだが、ベテランになってもできるだけコンパクトにまとめた方が望ましいという。

» 2014年03月31日 14時00分 公開
[MONOist]

 前回、自分のスキル・経験を端的に伝えるためには、4つの情報を漏らさず書くべきだと紹介した。今回は「職務経歴書の適切な枚数」と「専門用語を使うことの是非」について、転職支援サービス「DODA(デューダ)」のキャリアコンサルタントである中坪正幸氏にアドバイスいただいた。

職務経歴書の枚数、多くても3枚以内に

 モノづくりに関わるエンジニアの職務経歴書について、よく改善をお願いしているのは枚数を減らすことです。ベテランのエンジニアになると、過去に携わったプロジェクトを詳細に書いていくことで、A4サイズの用紙で総枚数が10枚前後になってしまうこともよくあります。

 それだけ枚数が多くなると、内容が冗長・散漫になってしまいますし、採用担当者としても読んでいるうちに疲れてきます。結果、書類選考の評価を落とすことにつながりかねません。アピールしたい実績が多くても、「記載するプロジェクトを絞る」「重複する内容をまとめる」といったやり方で記載内容を絞り込み、多くても3枚以内に収めるようにしてください。

専門用語の使用はOK。むしろ、積極的に使おう

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 書類審査をする側にも配慮して、記載する内容をコンパクトにまとめることは大切です。ただ使う用語については、「この用語を使って採用担当者に分かるかな」と遠慮することなく、専門用語を使ってもらって構いません。

 最初に書類をチェックするのは、たいてい人事部の採用担当者になります。エンジニアとしてキャリアを積んだことがある採用担当者はあまりいませんから、さすがに深い技術のことまでは分からないでしょう。けれど専門用語を見て、「だいたいどんなことをやってきたか」と見当を付けられる担当者は多いです。仮に完全には分からなくても、人材募集中の部署に書類を送って、代わりに書類審査してもらっているものです。実際、私は長年にわたって製造業エンジニアの転職をお手伝いしてきましたが、「この職務経歴書は専門用語ばかりで、何が書かれているかよく分かりません」といったお問い合わせを1件も受けたことがありません。

 むしろ専門用語を使った方が、自分の専門を正確に伝えられるという利点があります。製造業エンジニアの採用は、知識・技術の幅広さや「この要素技術をどれだけ分かっているか」と知識・技術の深さを評価されて採用が決まります。

 「人事に見せるための職務経歴書」ではなく、「現場責任者に評価してもらうための職務履歴書」を書くように意識してください。つまり「今回の募集要件に対してすぐにでも活躍できる」ということをアピールしてもらいたいのです。専門用語を多用してもらった方が、あなたのスキル・経験を正しく理解してもらえるはずです。

取材協力

中坪 正幸氏

中坪 正幸(なかつぼ まさゆき)

株式会社インテリジェンス キャリアディビジョン キャリアコンサルティング統括部 COEMCエレクトロニクスグループ マネジャー。米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー。

一貫して製造業界(エンジニア)を担当し、半導体/電機/自動車/エネルギー関連業界のエンジニアに対し転職支援をしています。相談に来られる方の未来を一緒に考え、キャリアの可能性を広げる提案を心掛けています。


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